Bon voyage （∞） (ページ47)

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酔っ払い ① ページ47

Side black

ツアーも無事に完走して、打ち上げで貸し切った居酒屋。

酒飲んで雰囲気が柔らかくなるせいか(いつも俺らの前では柔らかいけど)、Aの周りには普段集まらへん男性スタッフが集まりやすい。

「Aさん飲んでます～？」

「何か追加で頼みましょうか？」

俺らはもちろん、それを心配するんやけど

「あかん！今は俺のなん！！」

って、ウチの双子の片割れが番犬となって守ってくれるおかげで安心して酒が飲めるねん。

「A、俺ここやで～？ここおるでえ？」

「うんうん、分かってるよ？」

「んふふ、はよこっちおいで～」

「りょー、次なに飲む～？」

「あかん！一回お冷や飲んで？心配なん！」

「んん、」

「あ、俺唐揚げ食う！Aもほら！」

って、手で握り潰した唐揚げをAの口の中へ。
それを何とも思うことなく咀嚼して「おいしいなあ」ってヘラヘラして。

飲みの場ではいつもの光景や。

「双子可愛い…」

「亮ちゃんいつもは恥ずかしがって、あんな風にせんもんなあ」

「二人をアテにして酒飲むな」

こっちではマルとヤスが語っとるし。

「りょー、手ギットギト！」

「拭いてえ？」

「んふふ、ええよ～」

「なあ、俺カッコ良かったあ？」

「当たり前やん。みんなカッコ良かったで？」

「嫌や！いちばんって言うてえや！」

「りょーめんどくさい～」

「なあんでそんなん言うん？！なあ！なあって！」

うーん、これはよっぽど普段からどっくんが甘えるん我慢してるやつやなあ。

ほんまはAんことめちゃくちゃ気にかけてるねんで。なんならヒナ並みに。

同い年っていうのがまたストッパーなってんちゃうか？気恥ずかしいんやろ。知らんけど。

「ほんなら私は～？カッコ良かったあ？」

「ええ～？いちばん可愛かったあ！」

「んふふ、恥ずかしい～」

「あ！目掻いたらあかんで！ほら、俺の手ギュってしててみー？そしたら目かかへんよ」

「ほんまや～！」

「んふふ、ほんま可愛えなあ」

…癒しやわあ。
見てて恥ずかしなるくらい甘いけど。

「ヨコお前、帰りアレ運ぶんやからしんどなるまで飲むなよ」

「おお…」

飲み会の帰りは、いつも俺がAを抱えてホテルに帰って。独り占めできる束の間の時間を過ごす。大倉はベロベロで役立たへんからな。

…羨ましいやろ！