Bon voyage （∞） (ページ30)

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山内くんページ30

Side black

「侯くん！！」

楽屋に入ればワンコが飛びついてきよった。
訳わからんけど、とりあえずワンコを抱えてソファへ。

「なんで横山くんなん？！ずるいで！」

「おいヨコ！返せや！」

「え、俺が悪いん？」

「ちょっとニヤけてんの腹立つわあ」

なんやねんうっさいなあ！

ほんでこのワンコは何をさっきから…
俺の腕さすったり、腹撫でたり、しまいにはちょっと泣きそうな顔して見つめられる。しんどい。

「A？どないしたん」

「痛くない？なんもないの？」

「へ？」

頭撫でてもこの調子や。何がどうなって…

「山内くん、腕撃たれてたやんか！お腹グーで殴られてたし、なんなら首ギュって…！」

…ああ、アクションシーン後の恒例のやつか。
それを分かった他のメンバーも、納得したような顔しよる。

「なんもあれへんよ。傷ひとつないで？」

「…ほんま？」

「おん」

「…カッコよかった。山内くん」

そういうて、俺の膝に頭乗せて寝る体勢。

なんや恥ずかしくて、照れた顔を見せたくなくて、Aの目を覆う。

「見えへん…」言うてたけど、次第に寝息をたてたからほっとした。

「え～、俺が一緒に昼寝しよう思ったんに…」

「俺ももっかいアクションシーンけえへんかな」

「パッチのときなんてずーっと泣きそうやったで、あいつ」

「お前らあんま怖い思いさせんなよ」

「村上くん、アクションシーン滅多にないもんなあ」

「なんせゴリ…いたいいたい！！」

…おし。今日のん終わったらメシ連れてこ。