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Black of night ページ3

Side red


…人のこと言われへんけど、THE 殴り書きみたいな文字。好きやねんけどな、そういうところも。



「…で?その見えるものは何にするん?」



一通りノートの文字を言葉にしてもらう。
一生懸命伝えようとして、あたふたしとるんもめちゃくちゃ可愛え。




「俺ららしさも欲しいよな」

「カッコ良さしかないもんなあ、今回の」

「…お前よおそんなん自分で…」




俺ららしさ、なあ。
今までなんでもしてきた仕事。がむしゃらやった。
関西から出てきて、負けたなくて。…気ついたらこんなとこまできとった。





「やっぱり前向きさやろ」

「諦めの悪さ」

「がむしゃら」

「負けず嫌い」

「一生懸命」

「それをこう、いい感じに…マルちゃん!」

「いい感じ…いい感じに…はっ」

「お、出たんか?」

「パーーーン!あだっ」

「Aも振るな!」





おーおー、ヒナがやりよる。
二人で「ごめえん」て言うて、またその場が和む。


…この空気がすきや


この場所だけは、いつまでも守っていたいと思う。それはいつも俺のことを守ってくれてるから。



どうしたら守れる?
メンバーやeighterの、ぜんぶを。

…どう、したら、
なにが、あれば?





「……強さ、ちゃう?」

「!」

「うっ、おま、ギブ!ギブや!」




Aのキラキラした目と合った、思えばソファの上から飛びかかってきたから必死に受け止めたで、おっちゃん。死ぬか思った。




「すばるくんありがとう!離して!」

「お前から来たんやろが!離してたまるかい!」

「ほんならええよこのままで。私も強さがほしい!」

「欲しいなんて一言も言うてへんのに、」

「ふふん、すごいやろ」




俺が考えてたこと、わかってくれてるみたいで
口下手やなんや言われるし、自覚してる俺からしたら嬉しい以外のなんでもあらへん。

…言わへんけど




「ピッタリちゃう?俺もそれがええなあ」

「俺も!」

「決まりやな」





俺に背中預けて、足の間に収まるA。
また文庫本ノートに強さ、て書き足してぐるぐる丸をする。





「じゃあこの強さを何で表すか、やねんけど」

「お前やろ」

「は?」





ほら、他のやつらも頷いてるし。





「…なんで?」






胸んとこにある顔が俺を捉える
俺はその頰を片手で挟んで、






「俺らの強さを象徴してんのはお前や」






今も昔も、それは変わらん。


ますますキョトン、てした顔。
あー、チューくらいしたろかな。

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作者名:petrichor | 作成日時:2020年3月9日 11時

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