甘えたいとき �� ページ15
Side green
「A〜お昼寝するで〜」
「はーい」
もはや日課のAと昼寝。
サイズも温度もちょうどええねん、こいつ。
あと匂い。香水ちゃうけど、柔軟剤かな、めっちゃ好き(変えんといてっていつも言うてる)。
「おいで」
「ん…おじゃまします…」
目の下、クマ出来てたから。
この後も夜中まで撮り溜めあるし、ちょっとでも楽になったらええなあって。
そういう日は、着てるパーカーの中にもぐらせるねん。カンガルーみたいな感じ。あったかいんやて。
「…おやすみ」
「ん…」
下はTシャツ着てるから気にならへんし、俺も抱き心地良くなるから気に入ってるんよね。
「…なんやねんマル」
「べーっ」
「腹立つわあ…」
「喧嘩すなよ」
しばらく頭ポンポン撫でてたら、Aの体からチカラが抜けていくのがわかる。
…ん、寝たみたいやな。
深い寝息と上下する背中。
さっきより高い体温に俺も眠りに誘われる。
Aは仕事に対して、いい意味で見境がない。
全力で生きてる人。まるで歌うすばるくんみたいに。
やから、たくさんのエネルギーがいるねん。
当たり前にこなせてるようなことも、ぜんぶそのエネルギーを限界まで使って手に入れたものやから
せめてこうしてる間は、何にも気にせず眠れますようにって。
また走り出せますように
どこまでも走ることができますように
疲れたときは、またここで眠ればええから。
そんな願いを、いつもこめて俺も眠る。
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作者名：petrichor | 作成日時：2020年3月9日 11時
