Bon voyage （∞） (ページ12)

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甘えたいとき ④ ページ12

Side orange

「うーん、なんか違う」

「えっ」

普段、いろんなこと我慢してるんやろうなあ。
えらいなあ。頑張ってるもんね。

…やからたまに僕に厳しいんよね？(うれしい)

「ほんなら手こうしてみる？ほらみて！」

「ん？」

「手羽先！」

「…ここの角度もうちょい…こう！」

「いでででっ」

ほんでも実際、そうなんよね。
Jr.の頃からいろんな意味で一目置かれてたから、きっと想像できひんくらいの荷物を抱えてた。

それをAから直接聞いたことなんてないし、この先もそれはおんなじやと思う。でも僕らにはわかるねん。

「マルがAにしごかれとる」

「…ニヤけてんのムカつくわ」

「A～もっといってええよ～」

眼の色や
声の温度や
間の取り方
ちょっとしたルーティーンの狂い

それが僕らにしかわからへんサイン。
…まあ、関係なくメタメタに甘やかしたいのが日常なんやけど♡

「マルちゃん、ちょっとぷよってきてるで？」

「うっ」

「…まーたソファで一日終えたやろ」

「…はい」

「よし、腹筋開始！」

「アイヤー！」

僕らにとって、彼女はメンバーであり
宝物であり、ヒーローでもあり、戦友でもあるから。

この先もずーっと、ちっちゃなサインを見つけては嬉しくなって、しごかれてしまう自分がおるんやろうなあ。