【妖怪ウォッチ】シャーマン少女と本家大将大ガマさん。part４

学校の怪！！（ホラー注意） ページ9

マキ達の瞳は虚ろで、ぽかんと口を半開きにし
表情なんてものは一切ない。
皆がみな、能面のような面をして空を仰いでいたのだ。
駆け寄ってマキの肩を掴む。

「マキ！！ちょっとマキ！！！」

しかし、マキの瞳に私は映らない。
ブツブツと何かをつぶやくだけで、反応すら示さなかった。
そこで、気づいたことがもうひとつ。
来ると言っていたフミカちゃんの姿がない。
急遽来ない事になったのか……それとも。

そこで、ゾクリと悪寒が走る。
無意識にカチカチと歯がなるほどのソレ。
瞬間視界が一段と暗くなった。

恐る恐る視線を上げて目を見開く。
ポールに四肢を絡ませ、こちらを見つめる黒い影。
ソレは、瞳をしっかり見開いてこちらをジィっと見下ろしていた。
これが、授業中に見たあの影だというのか？
あの時には感じなかった凄まじい程のオーラが私を威圧する。

「また会ったわね。Aちゃん？」

聞き覚えのある鼻にかかったような声。
そちらに視線を移せば案の定、チチ女が不敵な笑みを浮かべて立っていた。
その隣には、浮かない顔をしたノッポ男。
血液が逆流するような感覚と共に口を開き怒鳴りつける。

「アンタ！！！マキ達に何したのよ！！！」

「何って、別に？ただ、この子達の生命エネルギーを少しだけ拝借したの。ふふ。何の足しにもならなかったけど」

カァッと頭に血が上ったのがよく分かった。

「まぁ、ただの人間に期待なんてしてなかったけど。この子は当たりだったわ」

チチ女がにぃっと目を細めるのと同時に、黒い影がカパァと真っ黒な口を開いた。

「なっ、……フミカちゃん！！！」

半身が黒い影に飲み込まれたフミカちゃんは、顔面蒼白でぐったりと項垂れている。
その血の気が引いた青い顔は、まるで死人だ。

「ふざけんじゃないわよ！！！アンタら自分達が何をしてるのか分かってんの！？」

「言ったでしょう？子供をいたぶる趣味はないけれど、目的の為なら何だってするの」

「目的？……アンタらの目的は私でしょ！！？だったらマキたちは関係ないじゃない！！！」

フーフーと怒りのあまり息が上がる。今にも脳の血管がぶち切れそうだ。
睨みつけた先のチチ女は至って涼し気な表情で、更に私を挑発する。

「アンタら……タダで済むと思わないでよね？」

「そう。じゃあ僕達をどうしてくれるの？」

びくりと肩が揺れる。
その聞き覚えのない声は、背後からした。
ばっと振り向いたその先。
そこには私と同い年程の男の子が立っていたのだ。

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