【妖怪ウォッチ】シャーマン少女と本家大将大ガマさん。part４

静かなる日常……がくると思っていたのか？ ページ5

それから、黒い影はすぐに見えなくなった。
しばらくそちらを注意して見てみたが、結局学校が終わってからも出てこなかった。
アレの正体は掴めずじまい。今日の夕方……やめといた方がいい気もする。

帰りのホームルーム中、そんな事をぼんやり考える。
ヘンテコ男は結局学校中ずっと山田くんの机に行儀悪い感じで座っていた。
私からすると、気づかない山田くんパねぇ。である。

「あ、Aちゃん」

「フミカちゃん」

ホームルームが終わり、それぞれ帰り支度を始めたクラス内に
フミカちゃんがやってきた。

「良かった、帰っちゃったかと思ったー」

フミカちゃんはフワッと笑うと、私に1冊の本を手渡す。

「あ、これ！花よりイケメソの最新刊！ほら、この間貸すって約束したでしょ？」

「ありがとー！続き気になってたんだよね！道明院とつばさがどうなるんだろーって」

「今回もドキドキの展開だったよ！」

「お、少女漫画か？Aも女の子だな！」

人気少女漫画の話題で盛り上がる所に、割って入ってくるみんなの目には見えないKY男。
ぴくぴく口の端の痙攣を抑えつつ、フミカちゃんへの笑顔は絶やさない。

「おー。Aの友達は別嬪さんだな。あれだ、今は子供だけど数年寝かせりゃイイオンナにな」

などと不純な発言をするヘンテコ男に、竜巻旋風脚を喰らわせる。
目の前のいたいけな少女を、邪悪で変態な妖から守るのは悪いことじゃないと思う。

「ど、どうしたの？Aちゃん」

「ああ、ごめんね。突然、竜巻旋風脚をしたくなったの」

フミカちゃんは若干苦笑いでそっかー。と答えると、それじゃあまたねと手を振る。
その時だった。

「あ、フミカじゃん！」

「マキちゃん！」

マキがフミカちゃんに気付いて、手を振りながらやってきた。
そういえば、マキとフミカちゃんは前同じクラスだったな。

「どしたの？」

「Aちゃんに漫画貸しに来たの！」

「へぇ！Aと友達だったんだね！あ……そだ！フミカも今日一緒にどう？」

「え？」

どうやらマキはフミカちゃんを今日の夕方に行われる幽霊対決に誘おうとしているみたいだ。
ポール幽霊は居る。それを先程目撃している私は口を開く。

「あー、マキ。今日の幽霊対決はやめた方がいいんじゃない？」

「ええー！？なんで！？」

マキが不満そうに頬を膨らませれば、フミカちゃんが幽霊対決という言葉に反応した。

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