UNKNOWN ページ20
「僕はドウマ。だけど僕のことを誰も知らないんだ。今も、昔も。そして、これからも。必要な情報かと言えばそうではない。けど、とても重要なもの。まぁ、なんでもいいか」
少年はブツブツと独り言のようにそういった。
その様は狂気すら孕んでいて、アドゥとウードゥは顔を青くさせている。
「ドウマ!!!」
思わずアドゥが声を上げた。が、少年は無表情のまま未だ口を動かしていた。
「どういうことなの!?あなたはドウマではないの!?」
焦ったようなアドゥの質問に、少年はピタリと独り言をやめて無機質のようなその瞳をぐりんとアドゥに向けた。
瞬間彼女に走ったのは悪寒。それもとても気味の悪いものだった。
「その質問に答えはないよ。あってもそれが事実かどうかは、僕しか知らない。それでいいだろ」
瞬間。酒呑童子が狂ったように暴れ出す。
咆哮を上げ、手当り次第拳を叩きつける。
上がる粉塵に、砕ける地面。それに伴った衝撃波。
「五月蝿い犬だ!!!くらいな!!」
天后は、そう叫ぶと。持っていたドン・ペリニヨンの酒瓶をシャカシャカ振り出した。
その気迫に似合わない滑稽な様に、Aも大ガマも、そしてケータも彼女を二度見する。
「さぁ乾杯の時間だよ!!犬にはコルク弾がお似合いだ!!!」
天后はニヤリと笑うと、コルク栓を暴れる酒呑童子へと向ける。
そして、炭酸の力を借り思い切りそのコルク栓を飛ばしたのだ。
小気味よい音を立て、溢れ出る中身。
そして、まるで銃弾のように真っ直ぐ酒呑童子へ向かうコルク栓。
そのコルク栓が着弾したのは、酒呑童子の頭部だった。バチュン!と生々しい音を立て、なんとあの小さなコルク栓が酒呑童子の頭部を破壊したのだ。
辺りに飛び散ったのは、魍魎の残骸。
「ば、ババァつえぇ!!!」
「コルクつぇえ!!!」
「炭酸強い!!!」
「ドンペリ強いでうぃすぅう!!!」
A達はそれぞれ自分達の素直な感想を述べると共に、驚きを隠せない。
頭部を無くした酒呑童子は、ヨロヨロとよろめき足をもつれさせるとそのまま転倒した。
巨体が起こす地響きが辺りを揺らす。
少年は至って冷静で、まるでこうなることがわかっていたようにも見えた。
魍魎が形作っていた酒呑童子は、まるで溶ける雪だるまのように溶けてゆき、黒いタールのような液体の海を作り出した。
その中央には、魍魎に囚われていたフミカが倒れ込んでいる。
25人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぼん(プロフ) - よもぎたん(´ω`*/)さん» こんばんわ!ありがとうございます!お名前変えたんですね^^*もしかして前もコメント下さったよもぎたんさんだったのですか!?←違ったらすみませんッカッパー回やっとこ見れました!俺のことディスってんの?でキュン玉持ってかれてしまいましたよ(*´Д`*)オチツケ (2015年12月2日 2時) (レス) id: 5b2ccc4cc0 (このIDを非表示/違反報告)
ぼん(プロフ) - ナッツ@まだ新年じゃないけど頭の中はHappy Newyearさん» こんばんわ^^*ありがとうございますー!そうなんです^^;私自身続くのか!と驚いていまして←妄想小説がここまで続けられるのも皆様のおかげだと思ってます!過去編もよろしくお願いしますm(_ _)m (2015年12月2日 2時) (レス) id: 5b2ccc4cc0 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎたん(´ω`*/) - 続編おめでとうございますっ!元ノアです!名前変更しました!(^_^)/これからも頑張って下さいね!あ、あと次のへんじの時にカッパーの回見れたか教えて下さい!! (2015年12月1日 19時) (レス) id: 594dce396d (このIDを非表示/違反報告)
ナッツ@まだ新年じゃないけど頭の中はHappy Newyear - 続編おめでとうございます!このシリーズ長くなりそうですね、part4ができた時コメしそびれました(^^|||それでは過去編頑張ってください!!!(*´∀`)ノシ (2015年12月1日 17時) (レス) id: b77eab5f4a (このIDを非表示/違反報告)
ぼん(プロフ) - ロキさん» こんにちわ!はじめまして^^*コメントありがとうございます!過去編頑張って更新して参りますのでよろしくお願いしますm(_ _)m (2015年12月1日 17時) (レス) id: 5b2ccc4cc0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぼん | 作成日時:2015年11月7日 1時