UNKNOWN ページ19
「……ドウマ?」
Aは目を見開いた。大ガマも同様、天后が発したドウマという単語に瞳を揺らがせる。
天后が睨むその先。そこにはあの少年。
その少年がニヤニヤと目を細めている。
「やぁ天后。君とこうして会うのは…そうだな。あの時以来。今から千年とちょっとくらい?あはは。昔過ぎて忘れたよ。君は見ない間に随分とババァになったね」
「うるさいガキだね。あん時の恨みは忘れちゃいないよ。」
「へぇ。ババァの癖に大した記憶力だ。」
少年と天后の話は、途方もなく遠い昔の話だった。ここでAと大ガマは知る。
自分達が調べようとしていたドウマノ。というものが"ドウマの"つまり、人名だということに。
しかし、同時に新たな疑問も産まれる。
ドウマという人物は、一体何者なのか。
何故黎明、そして天后が危険視するのか?ということだ。
この少年は、ただの浮遊霊に等しい。
その少年霊が何故酒呑童子という強大な鬼を操っているのか?というのも
この少年がドウマである理由の一つなのだろう。
「天后。君が言ってることは間違いじゃないよ。でも100%でもない」
「…何だって?」
少年はクスクスと含み笑いで呟いた後。スラリとその眼光を天后に向ける。
まるで見下すようなその視線に、天后はぴくりとその細い眉を顰める。
「僕はドウマ。でも、僕は僕だ。ドウマであってドウマじゃない。」
「何を言ってるのかサッパリだね。アンタからはドウマの息吹を感じる。ドウマ以外の何者でもないじゃないか」
「にひ。ババァには理解出来ないかな?僕は確かにいる。けど僕のことを誰も知らないんだ。誰もね」
少年の言うことは実に難解だった。
皆は理解出来ないと言わんばかりの表情を浮かべる。それは少年側であるアドゥとウードゥも同じことだった。
その中で少年だけが満足気に笑みを浮かべていた。
天后はそんな事どうでも良い。と言わんばかりに殺気むき出しで構える。
「ガキのゴタクに付き合ってる暇はないんだよ。アンタら」
「は、はい!!」
いきなり振り返った天后が声を上げたものだから、Aは上ずった返事を上げた。
「下がるか退くか……なんかしとくれ。邪魔だよ。これは、アタシらの因縁だ。すっこんでな」
「……」
因縁。
その言葉にAはしばらく考え、おずおずと後退した。
「因縁って……」
「知らないわよ。」
問いかける大ガマに、Aはそれだけを返した。
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ぼん(プロフ) - よもぎたん(´ω`*/)さん» こんばんわ!ありがとうございます!お名前変えたんですね^^*もしかして前もコメント下さったよもぎたんさんだったのですか!?←違ったらすみませんッカッパー回やっとこ見れました!俺のことディスってんの?でキュン玉持ってかれてしまいましたよ(*´Д`*)オチツケ (2015年12月2日 2時) (レス) id: 5b2ccc4cc0 (このIDを非表示/違反報告)
ぼん(プロフ) - ナッツ@まだ新年じゃないけど頭の中はHappy Newyearさん» こんばんわ^^*ありがとうございますー!そうなんです^^;私自身続くのか!と驚いていまして←妄想小説がここまで続けられるのも皆様のおかげだと思ってます!過去編もよろしくお願いしますm(_ _)m (2015年12月2日 2時) (レス) id: 5b2ccc4cc0 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎたん(´ω`*/) - 続編おめでとうございますっ!元ノアです!名前変更しました!(^_^)/これからも頑張って下さいね!あ、あと次のへんじの時にカッパーの回見れたか教えて下さい!! (2015年12月1日 19時) (レス) id: 594dce396d (このIDを非表示/違反報告)
ナッツ@まだ新年じゃないけど頭の中はHappy Newyear - 続編おめでとうございます!このシリーズ長くなりそうですね、part4ができた時コメしそびれました(^^|||それでは過去編頑張ってください!!!(*´∀`)ノシ (2015年12月1日 17時) (レス) id: b77eab5f4a (このIDを非表示/違反報告)
ぼん(プロフ) - ロキさん» こんにちわ!はじめまして^^*コメントありがとうございます!過去編頑張って更新して参りますのでよろしくお願いしますm(_ _)m (2015年12月1日 17時) (レス) id: 5b2ccc4cc0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぼん | 作成日時:2015年11月7日 1時