【妖怪ウォッチ】シャーマン少女と本家大将大ガマさん。part４

静かなる日常……がくると思っていたのか？ ページ2

「御神さん。大丈夫かな？大ガマ置いてきて」

「大丈夫でしょ？妖怪なんだから」

「え、あ。それそもそうだね」

蹲るヘンテコ男を置いて私たちは歩き出す。
終始ヘンテコ男を気にかける天野くんは優しすぎると思った。

「おおーい！ケータ！」

「おはようケータ」

「ケータ君おはよっ」

向こうから天野くんに手を振るのは、天野くんのクラスメイト。
クマくん、カンチくん、フミカちゃんだった。
こうして朝の天野くんと共に学校に行くようになってから、私も彼らと仲良くなった。

「おっ、御神も一緒か！」

「おはよう御神さん。にしてもケータ。仲いいね」

「おはよっ！Aちゃん」

「おはよう！」

みんなでワイワイガヤガヤ通学路を歩く。ただそれだけの事だけど私にとっては嬉しい。
今までは家バレしないよう気を張ってなきゃいけなかったし、遠回りして学校に行っていたから朝を友達と共に来るなんて出来なかった。
そう言った意味では天野くんに感謝だ。

クラスは別々のため、廊下で天野くん達と別れた。
自分のクラスへ入ると今度はマキたちがおはようと言って笑ってくれる。
ああ。これが本来あるべき小学生の姿だよなぁと、静かなる日常への感謝を噛み締めた。

「ねぇねぇ。A。聞いた？」

「何を？」

「ポールの幽霊の噂ッ」

「ポールの……幽霊？？」

業間休み。おまじないやら都市伝説やらが好きなトシエが目を輝かせながら言った。
前から、謎のおまじないとかにやたら詳しかったが…最近どんどんオカルト特化している。
そんなトシエがこの学校で最新のオカルト話を仕入れてきたのだという。

「ポール…っていう外国人の幽霊でも出るの？」

私は首をかしげながら聞いてみた。するとトシエはちがーう！と一喝し、窓際である私の席からちょうど見える校庭に佇む国旗のポールを指さした。
なるほど、そっちのポールか。

「最近ね。出るらしいの」

トシエの話によると、あのポールの下に最近になって幽霊が出るという。
その幽霊の姿は真っ黒い影らしい。男なのか女なのか、子供なのか大人なのか。見た人は皆ビビって逃げ出すため、その正体は分からないらしい。

「見間違いなんじゃなーい？」

「は！？違うし！」

そこで幽霊否定派のマキが声を上げた。それに対しトシエはムキになって反論する。

「幽霊なんて、その人の見間違いか思い込みだよ。ねぇA！」

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