【妖怪ウォッチ】シャーマン少女と本家大将大ガマさん。part４

蜘蛛の窖 ページ24

土蜘蛛。というヘンテコ男の知り合いにアポを取る。みたいな流れになった。
土蜘蛛...もしかして虫の蜘蛛の妖怪だろうか？
想像して、ぶるりと身震いをひとつ。
何故なら私は虫が嫌いだからだ。

「つーわけでケータ！傷心のところ悪ぃけど早速つぶあんを呼び出してくれ！」

ヘンテコ男が爽やかな笑顔で天野くんに振り返る。すると、天野くんは死人のようなどんよりとした顔をヘンテコ男に向けた。

「無理だよ。土蜘蛛にも召喚拒否されてるんだから」

「...はぁ！？ってことは土蜘蛛のヤローもどっかで力奪われちまったってことか！？」

「...知らないよ。はは、俺の事嫌いなんじゃない？...フミちゃんも俺の事嫌いみたいだし」

天野くんの心の傷は、思ったより深かった。

「うへぇ。マジかよ...。」

「どうします？」

どうやら振り出しに戻ったよう。ヘンテコ男とウンさんは再び唸り出した。

「とりあえず、妖魔界に行ってみますか？あそこに行けば誰かしら酒呑童子をしってるかもしれませんし」

「妖魔界かぁ...。」

ヘンテコ男とウンさんは何やら勝手にことを進めようとしている。
ようまかい？というところに行くとか行かないとか。
どうやらそのようまかい。というのはおおもり山の神社にある御神木から行けるという。
何それ。と思ったがついていくしかなさそうだ。
私は傷心の天野くんの背を押して、ヘンテコ男達について行った。


日が半分程暮れたおおもり山は、昼間と違った表情を見せていた。神社までの道は鬱蒼と茂った木々のせいか、より一層暗い。
比較的緩やかな山道をウンさんを筆頭に登ってゆく。
やっとこ神社が見える頃。日はとっぷり暮れていた。

「暗...」

思わず呟いた言葉に、ヘンテコ男がハハッと声を上げる。何だよ。と睨めば
ヘンテコ男の顔が暗がりの中ニヤリと笑った。

「怖いか？」

「馬鹿じゃないの」

「お化けが出るかもしれねぇぞー？」

ヘンテコ男が笑いながら両手を手首からブラブラさせ、安定の幽霊ポーズをしていた。
ぶっちゃけ。何コイツとしか思えない。

その時だった。ガサガサッと近くの植え込みが揺れた。ヘンテコ男は、はぅっ！と短い悲鳴を上げて肩をびくつかせる。

...コイツ。まさか妖怪の癖に、お化けが怖いのか！？

「な、何だよ」

「さぁ？猫とかじゃないの？」

「ちょ、A見てこいよ」

「はぁ！？なんで私が！？」

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