酒呑童子 ページ16
「うぃ、うぃ、ウィスパー!!あの妖怪何!?っていうか妖怪!?」
「うぇ!?えーと、えーと……ふぁっ!?ありましたよ!!」
ウィスパーとケータは初めて見るその巨大な鬼に困惑と驚きを隠せない。ウィスパーは慌ただしく妖怪パッドをスワイプし、その姿を見つけ声を上げた。
「奴は酒呑童子!!平安時代に悪行を重ねた鬼の一族の頭領です!!源頼光率いる討伐隊に征伐されたと……!では、何故ここに!!?」
そう。酒呑童子は源頼光により征伐され、妖魔界からもその名が抹消されたはずの妖。
それが今現在、目の前に存在している。
妖怪パッドの知識が全て。なウィスパーにとって実に解せぬ事態である。
「っおい!あれは……」
「どうしたの!?大ガマ!!」
大ガマの声でケータはそちらにハッと視線を移す。その視線の先。そこにはケータに馴染み深い少女の姿。
ケータは目を見開いた。
「ふ、フミちゃん!!」
ケータの瞳にしかと映るフミカの姿。
しかし、いつもの可愛らしい笑顔を浮かべることなくグッタリとその身を酒呑童子の胸部に埋めている。
「アレの正体は魍魎の塊よ。フミカちゃんの霊力を餌に巨大化させた魍魎に、あいつが更に自分の霊力を注いだの」
Aは、酒呑童子から視線を外さずにボソリと現状を説明する。
大ガマはアイツ?と首をかしげ、そちらに視線を移した。そこにはあの少年が目を細めて笑っている。
「……ああ。あの時のお兄ちゃん。」
「は!?あの時……」
大ガマにもその面影が伝わった。その少年が公園でブランコを押してやった子供の幽霊に酷似している事に気づいたのだ。
「ブランコのボウズ!!」
「にひひ。あの時はありがとう。おかげで出来る事が増えたんだよ」
少年はあの時のように、大ガマにあどけなく笑ってみせる。
しかし、そのあどけない笑顔は
一瞬にして冷徹なものへと変化した。
どんよりと、暗く、冷たく。
見下すようなその視線で大ガマを見据える。
「でもさ、残念だよ。お兄ちゃんが協力してくれないなんて。最近の妖怪って礼儀がなってないよね。ただでさえ害悪なお前らの存在価値を作ってやるって言ったのに、それをことごとく拒否するなんてさ。まぁ、皆養分にしてやったけど」
少年は機械のように淡々と告げる。
女、子供には手を上げない紳士的主義の大ガマも、この少年の発言に青筋を走らせる。
「おい、ボウズ。礼儀がなってねぇのはどっちだ?」
「変なことを聞くね。無論お前らだろ」
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ぼん(プロフ) - よもぎたん(´ω`*/)さん» こんばんわ!ありがとうございます!お名前変えたんですね^^*もしかして前もコメント下さったよもぎたんさんだったのですか!?←違ったらすみませんッカッパー回やっとこ見れました!俺のことディスってんの?でキュン玉持ってかれてしまいましたよ(*´Д`*)オチツケ (2015年12月2日 2時) (レス) id: 5b2ccc4cc0 (このIDを非表示/違反報告)
ぼん(プロフ) - ナッツ@まだ新年じゃないけど頭の中はHappy Newyearさん» こんばんわ^^*ありがとうございますー!そうなんです^^;私自身続くのか!と驚いていまして←妄想小説がここまで続けられるのも皆様のおかげだと思ってます!過去編もよろしくお願いしますm(_ _)m (2015年12月2日 2時) (レス) id: 5b2ccc4cc0 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎたん(´ω`*/) - 続編おめでとうございますっ!元ノアです!名前変更しました!(^_^)/これからも頑張って下さいね!あ、あと次のへんじの時にカッパーの回見れたか教えて下さい!! (2015年12月1日 19時) (レス) id: 594dce396d (このIDを非表示/違反報告)
ナッツ@まだ新年じゃないけど頭の中はHappy Newyear - 続編おめでとうございます!このシリーズ長くなりそうですね、part4ができた時コメしそびれました(^^|||それでは過去編頑張ってください!!!(*´∀`)ノシ (2015年12月1日 17時) (レス) id: b77eab5f4a (このIDを非表示/違反報告)
ぼん(プロフ) - ロキさん» こんにちわ!はじめまして^^*コメントありがとうございます!過去編頑張って更新して参りますのでよろしくお願いしますm(_ _)m (2015年12月1日 17時) (レス) id: 5b2ccc4cc0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぼん | 作成日時:2015年11月7日 1時