【妖怪ウォッチ】シャーマン少女と本家大将大ガマさん。part３

ここから始めるシャーマンライフ ページ6

「っで！！！」

床に積まれていた本に、足の小指を強打した。
痛さのあまりドスの効いた声で悶える。

「っ何よ！！本の癖に生意気ね！ブックオフに売り飛ばすわよ！！」

そして、痛さのあまり本に罵声を浴びせた。

「……」

そんな私が目を点にする。何故なら、その積まれた本の一番上にある本の表紙…。
ジジィが笑顔で映っていたからだ。
なにこれ。誰得本だよ。と手に取ってみる。
驚いたことに、その積まれた分全て同じ本だった。
…ジジィの事だ。自費出版して失敗したんだろう。まさに負の遺産。

「ここから始める、シャーマンライフ？」

本の題名は、なんか胡散臭い感じだった。

「シャーマンを目指す全ての方に送る。幸せシャーマンライフの……ススメ……」

帯はもっと胡散臭い感じだった。

とりあえず中をパラパラ見てみる。
ジジィの偉そうな挨拶から始まったその本は、目次も胡散臭かった。

なんだよ、霊力の開放と制御。って。
ジジィ。お前の歳で厨二病とか…笑えない冗談だぞ。
溢れんばかりの厨二病目次を目で追っていけば、とある項目でピタリと目が止まった。
それは、カンタン護身呪術。という項目。

「……」

私はしばらく考えた後、その本を片手にキョロキョロとあたりを警戒した。
した後で、その本片手に部屋へ向かったのだ。

バタンと後ろ手で部屋の扉を締める。
この間から生えてる天井ババァが、私の様子がいつもと違う事に目を真ん丸くしてる。
そんな天井ババァはシカトして、私は本を開いた。

カンタン護身呪術。
呪術に興味はないが、護身呪術となると……少し興味がある。
信じたくはないが、リアルバイオハザードに襲われたことは事実。
またあんな感じのに襲われた時、華麗に護身出来たら……。

『現れたわね！リアルバイオハザード！これが私の新たな能力！"ザ・ワールド"！』

なんていう、かっこいい自分妄想が脳内を侵食した。
ポテトにはなりたくないが、特殊能力者……いわゆるスタンド使い的なものにはなってみたい。

ちょっとだけニヤッとした。

まぁ見るだけはタダだし、ちょっとだけ……なんて思いつつページをめくる。
そこに書かれていたのはそのカンタン護身呪術とやらのやり方。
そのやり方を、ジジィ特製のキャラクターなのだろうか？
オンミョウ君とレイコちゃんとかいう、謎の二頭身キャラが会話方式で教えてくれる。

ゆるキャラとは程遠いその二頭身キャラ達の会話がこちらだ。

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