ここから始めるシャーマンライフ ページ4
「見つかったかー?ドウマノ」
ヘンテコ男の声に私はそちらに視線を向けて眉間にシワを寄せた。
何故ならさっきまで饅頭図鑑読んでたはずのヘンテコ男が、どっから出したのか。というかなんで持ってんだテメェ。と言いたくなる3DSをピコピコしているからだ。
一応音量は下げているようだが、小さく聞こえる『キュピーン』という回復音……。
コイツ……モンハンしてやがる!!!
「……チッ、やっべ、クーラードリンクがもうねぇわ」
「クーラードリンク。じゃないわよ!!何呑気にゲームしてんの!?」
「え?あー。ちょっと待ってろ。もう終わるから」
「はぁ!?ムカつくんですけど!!!」
ヘンテコ男は一狩り行き終えたのか、3DSをパタリと閉じてこちらに視線を向ける。
「で?見つかった?ドウマノ」
へらっと笑ったヘンテコ男に腸が煮えくり返る。
で?じゃねぇよ。探すの手伝えよ。
「……馬の種類じゃなさそうよ」
「ははっ、だろーな。だって俺長生きしてるけど、ドウマノっていう馬知らねぇし」
「アンタが最初に『馬の種類なんじゃね?』って言ったんじゃない!!!」
お行儀が悪いと重々承知の上で、椅子に立ち、更に足でテーブルをドンドンしながら
ビシッとヘンテコ男を指さした。
あれ、なんかデジャヴ。
まぁ、そんなことをしていれば当然周りの物言わぬ迷惑そうな視線が突き刺さる。
おずおずと席について、再び馬図鑑へ視線を戻した。
モンハンしたきゃしてりゃいい。
そんでもって、リオレウス辺りに火だるまにされて力尽きろ。
と心の中でヘンテコ男へ暴言を送りながら、ページをめくる。
すると隣の席がガタリと音を立てた。
ふとそちらを睨めば、ヘンテコ男。
「しゃあねぇ。手伝ってやるよ」
「……なんでそんな上から目線なわけ?」
ヘンテコ男はハハッと笑いながら、すっと腕を図鑑へと伸ばす。
必然的に、ヘンテコ男との距離が縮まるわけで……。ふと香ったのは、香の匂い。
金木犀の花のような香りが鼻腔をくすぐった。
それがヘンテコ男が好んで焚いているお香の匂いだと理解した瞬間。何故だか妙に小っ恥ずかしくなる。
「こっちのページは俺、お前そっち読めよ……って聞いてんのか?」
ヘンテコ男の声で我に返って隣を見上げた。怪訝そうに眉を寄せたヘンテコ男がこちらを見ていてすぐに視線を逸らす。
「わ、分かったわよ」
「おぅ。……どうした?」
「何でもない!!」
ヘンテコ男の問いかけに、思わず大きな声を出してしまった。
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八神はやて - ジョジョが入っている! (2018年6月29日 18時) (レス) id: 9488902e63 (このIDを非表示/違反報告)
シロ - 絵が素敵です!ずーーっとm思わず見とれてしまうほど・・・ (2016年2月26日 21時) (レス) id: 818f8c7f60 (このIDを非表示/違反報告)
ぼん(プロフ) - こたつさん» こたつさん!こんばんわ^^*お祝いのお言葉ありがとうございます(*´ω`*)続編も頑張って更新するのでよろしくお願い致しますm(_ _)m (2015年11月8日 2時) (レス) id: 5b2ccc4cc0 (このIDを非表示/違反報告)
こたつ(プロフ) - こんばんは!出遅れてしまいました…続編おめでとうございます!またまた仕事が早いですね!これからも頑張ってください! (2015年11月8日 0時) (レス) id: 84292a694d (このIDを非表示/違反報告)
ぼん(プロフ) - すうな@不登校になりたいロリショタコンですさん» すうなさん!こんばんわー!ホラー苦手なのですねっ(><)実は私も、ホラーが苦手だったりしますw漫画のホラー系は平気ですが、実写映画は見れません←続きを楽しみにしてくださって有り難うございます!今続編製作中です^^*これからもよろしくお願いします! (2015年11月6日 1時) (レス) id: 5b2ccc4cc0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぼん | 作成日時:2015年10月11日 3時