初期短編「シャーマン的超日常」 ページ32
ブァービーが入った手提げをぶん回しながら帰路を歩む。
ジジィに頼んで除霊してもらおうか。でも…。このブァービーからは、何も感じないんだよなぁ。
「まぁ、ブァービー見た目からして怖いからね」
「ブァービーってなんだ?」
「……」
そんな私の背後に音もなく現れたこの奇抜な格好のこの男。
私は、ぴたりと歩みを止めそちらを睨む。
「いきなり現れないでって何回言ったらわかんのよ。カエル男」
「いやぁ、Aの帰りがおせぇから爺さんに見てこいって頼まれてよ」
へらりと笑ったその男は、見た目十代後半程の青年だ。
この男の名は大ガマ。
こんな見た目をしてるが、正真正銘カエルが化けた妖怪。
大蝦蟇として名が残るほどの大妖怪らしいが、自称なのでホントかどうかは知らないし興味もない。
いつだったか、ジジィが釣りに出掛けた時に
行き倒れてたコレを拾ったという。
それからというもの、何故かウチに住み着いた。
「爺さん心配してたぞ?Aの帰りがいつもより5分程遅い!ってな」
「馬鹿なの?」
なんだかんだ言いながら、いつもいきなり現れるこのカエル男。
時たま学校にまで現れるもんだから、ぶっちゃけ迷惑。というか、迷惑極まりない。
幽霊が見えるとカミングアウトしているものの、ガチで何もいない空間に喋りかけてたら色々危ない人になってしまう。
だから、学校だけには来ないで欲しい。
「そういやぁ、今日のおやつはこしあんのどら焼きだぜ!!」
「あ、そう。私つぶあん派だから」
カエル男のくだらない話を、右から左に受け流しつつ。
自宅に到着。ジジィは私の帰りが遅いとか抜かしてた癖に、コンビニに行ったらしい。
台所に置かれた置き手紙で把握した。
何が、
コンビニに居るよ。探さないでね☆
だ。
誰が探すかクソジジィ。
部屋について、ランドセルとあの手提げを机の上へ。
どら焼きの包を開けて、かぶりつくのと同時に片手であのブァービーを取り出した。
「……なんだ?その超生命体みたいな人形」
「これ?ブァービー人形よ。昔流行ったの。まぁあんたは知らないでしょうけど」
「おぅ!知らねぇ!」
カエル男は、見たこともブァービーを興味津々な眼差しで見つめながらどら焼きをモスモス食っていた。
「で?この人形。どーしたんだよ」
「ん?友達から預かったんだけど、なんか電池も入ってないのに喋るとか……」
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八神はやて - ジョジョが入っている! (2018年6月29日 18時) (レス) id: 9488902e63 (このIDを非表示/違反報告)
シロ - 絵が素敵です!ずーーっとm思わず見とれてしまうほど・・・ (2016年2月26日 21時) (レス) id: 818f8c7f60 (このIDを非表示/違反報告)
ぼん(プロフ) - こたつさん» こたつさん!こんばんわ^^*お祝いのお言葉ありがとうございます(*´ω`*)続編も頑張って更新するのでよろしくお願い致しますm(_ _)m (2015年11月8日 2時) (レス) id: 5b2ccc4cc0 (このIDを非表示/違反報告)
こたつ(プロフ) - こんばんは!出遅れてしまいました…続編おめでとうございます!またまた仕事が早いですね!これからも頑張ってください! (2015年11月8日 0時) (レス) id: 84292a694d (このIDを非表示/違反報告)
ぼん(プロフ) - すうな@不登校になりたいロリショタコンですさん» すうなさん!こんばんわー!ホラー苦手なのですねっ(><)実は私も、ホラーが苦手だったりしますw漫画のホラー系は平気ですが、実写映画は見れません←続きを楽しみにしてくださって有り難うございます!今続編製作中です^^*これからもよろしくお願いします! (2015年11月6日 1時) (レス) id: 5b2ccc4cc0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぼん | 作成日時:2015年10月11日 3時