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【ノルソル過去編】善良な悪人達の話 ページ21

「……逃げろ。ソルカ、ラビィ」

「え…」

「国軍だ……!」

ノルカの言葉にソルカは目を見開く。
国軍は、月都領域。つまり、あの球体の中の治安を維持するのが主だった目的の組織のはずだ。
それが何故外部であるこの土地に……。

「まさか……僕達を追って」

「分からねぇ。とにかくお前は集落に戻って念のため皆を安全な場所へ避難させるんだ。」

「ノ、ノルカはどうするのさ!」

「……俺はここで時間を稼ぐ。その間に頼んだぞ」

「む、無茶だよ!ノルカ一人じゃ…」

慌てふためくソルカに、ノルカはニッと口角を上げた。

「なぁに。俺だって馬鹿じゃねぇよ。ある程度足止めしたらスキ見て逃げるさ。」

そう言ったノルカの手は小刻みにカタカタと震えていた。
そんな彼にソルカは唇を噛み締める。

「伸るか反るか……。ここはいっちょやってやるっしょ」


ノルカは震えを抑えるように自身にそう言い聞かせ、ぎゅっと拳を握りしめる。




「相変わらず、臭いな。」

「仰る通りで。まるで土地自体が腐乱しているかのようですな」

ザッザッと荒廃した土地を踏みしめるオキナは、独特の悪臭に顔をしかめた。
灯した明かりだけが頼りのそこは、煌びやかな月都と同じ星だとは思えない程の暗闇だ。
オキナの呟きに、部下はそう返して。それにしても…。と続ける。

「あの妖兎がまさかこの環境で生存していたとは…。しかもあのような船まで…。」

「奴らはワシらが思っていたより随分としぶとい生き物だったようだ。害虫というものは、何処でもしぶといものだな」

ククッと喉奥で笑ったオキナの歪んだ笑が、灯りの元で揺れていた。

「だがしかし。今宵で我らにとって害悪な害虫は滅びゆく。皆盛大に駆除せよ。働きによっては褒美を取らせようぞ。……む?」

オキナがピタリと歩みを止めた。
それに連れ立って、部下も一斉に行進を止める。
ざぁっと生暖かい腐った風が吹き抜けた。

オキナの視線の先。そこにはゆらりと揺れる影が一つ。
ザ、ザ。とこちらに向かってくるのが分かる。

「……何者だ!!」

「妖兎か!?」

その存在に口々に叫ぶ部下を他所に、オキナはただジィっとそれから視線を外さなかった。

「……よぉ。久しぶりだな、クズ野郎」

幼い声。だがそれは地を這うように低く、そしてオキナにとって聞き覚えのある声だった。
灯りが徐々にその影の正体を露にしてゆく。
そうして現れたその人物に、オキナは口角を上げた。

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story101(プロフ) - はい!ぼんさんの作品、正座待機でお待ちしております。 (2016年12月25日 22時) (レス) id: 8b873bc734 (このIDを非表示/違反報告)
ぼん(プロフ) - story101さん» こんばんわ!お久しぶりです^^*更新停滞申し訳ございません(><)ふぉお!そう言って頂けると喜びの舞を披露しちゃいますよ!!←怖い有難うございます!これからもよろしくお願いします(。_。*) (2016年12月25日 22時) (レス) id: c56038631b (このIDを非表示/違反報告)
story101(プロフ) - こんばんはまっくろワッサンです。私エンマ大王。特、にぼんさんの作品のエンマ大王の大ファンです。面白いのひと言に尽きるというか (2016年12月25日 21時) (レス) id: 8b873bc734 (このIDを非表示/違反報告)
こたつ(プロフ) - ぼんさん» いえいえ、それほどでも(照)(((はい!もちろんです!応援してます!! (2016年10月29日 0時) (レス) id: a285e02c29 (このIDを非表示/違反報告)
ぼん(プロフ) - こたつさん» こんばんわ!おおっ!流石こたつさん^^*仕事が早いでウィス・:*+.(( °ω° ))/.:+読み返して下さってありがとうございますー!これからも頑張りますのでよろしくお願いしますm(_ _)m (2016年10月28日 1時) (レス) id: 5b2ccc4cc0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぼん | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2016年6月5日 4時

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