【ノルソル過去編】善良な悪人達の話 ページ13
「じ、爺さん!月都を知ってんのか!?」
老人から聞く月都という言葉。
正直。ノルカとソルカの目に映るこの二人は自分達と容姿がまるで違う未知の生命体として映っている。
そんな生命体が、自分達が知る月都の名を出した事に驚いたのだ。
「知ってるも何も…月都は、元々儂等が作り上げ治めてきた都だからのぅ」
「……え?ど、どういうことですか?」
老人の言葉に、ソルカが聞き返す。
すると、老人はふぅ。とため息を吐いた後で、二人に着いてくるよう告げる。
案内されたのは、彼らの家であるテントの中。
内部は、お世辞にも綺麗とは言えないが意外にも骨組みはしっかりとしており。
あれだけ吹いている風を完璧に遮断していた。
座るよう促されたノルカとソルカは、戸惑いつつも腰を下ろす。
それを見届けた後で老人と子供も腰を下ろした。
「いやはや。驚いた。今になって月都の住人がこの地にやって来るとは…」
「お、お爺さん達は何者なんですか?」
「……ヌシらと同じ妖魔に決まっておろうに」
老人は、困ったように笑った後で一呼吸置くと。事を話し始めた。
老人達は、妖兎(アヤト)族。という一族なのだという。ノルカとソルカにとって初めて聞くその一族の名。
確かに月都にいた頃も、数々の一族がそこに住んでいた。
カグヤ一族を筆頭に、そのカグヤ一族に代々使えるオキナ達タケトリ一族。
その他にも名の付く一族が数々いた。が、多少の差が有るにしても、皆が皆同じ様な姿形。
獣耳が生えた彼らのような者は見たことがなかった。
そのことを伝えれば、老人はカラカラと笑う。
「ヌシらは、荒廃する大地に浮かぶあの球体を見たかのぅ?」
「え、あ、はい」
「あの球体の中で生まれ、育ったヌシらのような若者には、儂が今から話すことはきっと解せぬことだと思う。だが、しかし。ヌシらも訳あってあの球体からこの大地へ赴いた身なのであろう?」
「……」
「別にヌシらに何があったか等、儂は聞かん。儂に聞く権利は微塵もないからのぅ。ただ、儂は知ってもらいたいのだ。老い先短い儂が知り得る真実を」
老人はそう言って瞳を伏せ、しばらくしてそれ上げた。
そうして口を開き、語り出す。
ノルカとソルカが知知る由もない。真実を。
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story101(プロフ) - はい!ぼんさんの作品、正座待機でお待ちしております。 (2016年12月25日 22時) (レス) id: 8b873bc734 (このIDを非表示/違反報告)
ぼん(プロフ) - story101さん» こんばんわ!お久しぶりです^^*更新停滞申し訳ございません(><)ふぉお!そう言って頂けると喜びの舞を披露しちゃいますよ!!←怖い有難うございます!これからもよろしくお願いします(。_。*) (2016年12月25日 22時) (レス) id: c56038631b (このIDを非表示/違反報告)
story101(プロフ) - こんばんはまっくろワッサンです。私エンマ大王。特、にぼんさんの作品のエンマ大王の大ファンです。面白いのひと言に尽きるというか (2016年12月25日 21時) (レス) id: 8b873bc734 (このIDを非表示/違反報告)
こたつ(プロフ) - ぼんさん» いえいえ、それほどでも(照)(((はい!もちろんです!応援してます!! (2016年10月29日 0時) (レス) id: a285e02c29 (このIDを非表示/違反報告)
ぼん(プロフ) - こたつさん» こんばんわ!おおっ!流石こたつさん^^*仕事が早いでウィス・:*+.(( °ω° ))/.:+読み返して下さってありがとうございますー!これからも頑張りますのでよろしくお願いしますm(_ _)m (2016年10月28日 1時) (レス) id: 5b2ccc4cc0 (このIDを非表示/違反報告)
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