愛がなんだ (ページ6)

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新しい生活ページ6

　
　

あの食事会の日から
私の身の回りのものはどんどん変わっていった

新しい家族が増えたと思えば
食べるもの着るもの持つもの全てが豪華になり
何より違和感を感じたのは、
母が夜の仕事を辞めて教育熱心になったことだ

兄である純喜くんと同じ高校に入学して欲しいらしい

何度か向こうの家で食事会をする事があったが
その時は純喜くんの部屋で勉強を見てもらうことが恒例となっていた

「A、今回の模試はC判定だったらしいじゃない。せっかく純喜くんが教えてくれてるのに、お母さん申し訳ないわ」

「うん、分かってる。次の模試ではちゃんと合格ラインまで持っていくから」

「次の模試って言っても受験前それが最後でしょ？しっかりしなさい。受験失敗したらお母さん許さないからね？」

「ちゃんと分かってるよ。お母さんに恥かかせたりしないから」

「A、信じてるからね」

お母さんは優しく私の頭を撫でた

そのときをずっと憧れていたはずなのに
思ったよりも居心地が悪くて胃がぎゅっと痛くなった

　
　
「純喜くん、普段はバカっぽいのに何故か頭は良いよね」

恒例の純喜くんとの勉強会
最初はぎこちなかったが回数を重ねる内に
自然に接することが出来るようになった

「急に悪口言うやん笑」

「羨ましい。私がほんとに純喜くんの妹だったら私も勉強出来たのかな」

「Aもちゃんと勉強できてるやん！模試C判定だったんやろ？中3から勉強はじめてこれなら上出来だと思うで」

「でもお母さんはC判定なんて純喜くんに申し訳ないって言ってた」

「そんなん気にせんでええのに！もし、落ちたとしても俺は何も思わんよ」

「ねぇ、落ちるなんて縁起の悪いこと言わないでよ笑」

「ごめんごめん！あー、でもな」

「何？」

「Aと同じ学校だったら楽しそうやから受かって欲しいな～なとは思う！一緒に登校出来たら楽しそうやんな？」

「…確かに！」

「まぁ、無理せず頑張ってくれってことやな」

「ううん、絶対受かる！そしたら一緒に登校しようね！」

「おう、待ってるな！」

そう言って私の頭をわしゃわしゃと撫でた

「もう、せっかく髪の毛綺麗にしてきたのに崩れるじゃん〜」

「ははは、ごめんって笑」

髪の毛はぐちゃぐちゃだけど
お母さんに撫でられるより何倍も嬉しかった

　