愛がなんだ (ページ5)

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兄ページ5

　
4人で並んでレストランを出る

私は満足したお腹をさすった

出てきた料理が全て美味しくて
話している内容なんて頭に入らない程だった

「じゃあ俺たちは映画を観に行くから、自分らは先に帰っとってな」

「えぇな！楽しんで来てな〜！」

2人が手を振って去っていくと
私はお兄さんと2人きりなった

「じゃあ行こうか」

「え？どこにですか？」

「Aちゃんのお家まで送るわ。家どの辺？」

「えっ、気遣って頂かなくても大丈夫ですよ。1人で帰れます」

「ちゃうやん、これから兄妹になるんやから色々知りたいやん！話しながらゆっくり帰ろう！な？」

「…ありがとうございます」

「よし！行こか！」

そう言って歩き出したお兄さん

私より2つ上の高校2年生
高校はすごく頭の良い高校だった

好きな食べ物はカルボナーラ
嫌いな食べ物はセロリ

サッカー部に所属していて無類のサッカー好きらしい

好きな色は水色
好きな天気は晴れ

少し距離がある私の家が近く感じるほど
たくさん話をしてくれた

「あっ、ここです」

「そうなんや。割と近かったな」

「送って頂きありがとうございました」

「そんなんええよ。てか、そんな堅苦しく喋らんでええで？これから兄妹になるんやから、もっと気楽にいこうや！タメ口で喋ってみ？」

「…うん、分かった」

「お！上出来！なぁ、Aって呼んでもええ？なんかそのほうが兄妹って感じするやんな！」

「うん、いいよ」

「俺のことはお兄ちゃんでも兄貴でも純喜でも何でも呼んで！」

「じゃあ純喜…くんで」

「ははは！流石にお兄ちゃんは呼ばれへんか！笑」

「急にお兄ちゃんが出来たってってことがまだ受け入れられなくて…」

「まぁ、無理して俺のことお兄ちゃんって思わなくてもええで？歳が近いんだし学校の先輩とかそれくらいに思えばええんとちゃうかな？」

純喜くんはキラキラした笑顔で私を見る

明るくて荒々しいと思いきや所々に
育ちの良さが見え隠れしていた

何だか私とは別世界の人のような気がして
少しだけ眩しく感じた

「うん。ありがとう、純喜くん」

「じゃあまた近々食事会あると思うからその時にな！」

私が部屋に入るまでぶんぶんと手を振って見送ってくれた純喜くんに思わず笑みが溢れた

　