愛がなんだ (ページ19)

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嫉妬ページ19

眩しい日差しに耐えながら
必死になって純喜くんを目で追った

「Aの兄ちゃん人気者やな」

「ほんとだよね、いろんなとこで写真撮ってる」

「スポーツマンやし、顔めっちゃカッコいいもんな。そりゃ体育祭で無双するよな」

「そうだよね～」

今日は1年に1度の体育祭。私にとっては初めての体育祭だけど、純喜くんにとっては最後の体育祭だ

朝からおかしなくらい張り切っていた

まぁ、案の定張り切っていた純喜くんは
リレーやら、応援合戦やらで大活躍

そこらを歩けば同級生だけじゃなく、後輩にも人気があるのか沢山の人に写真を求められていた

瑠姫くんが隣にいることで効果は2倍
2人で並んで歩くとどこもかしこも人だかりだ

瑠姫くんは王子様のように笑顔を振りまいているが
体育祭には積極的に挑んでいないように見える

「ごめん、ちょっとトイレ行ってくる」

「お〜、次部活対抗借り物競走だからはやく帰って来てな！」

「うん、すぐ戻るね」

用を済ましてテントに戻ろうとすると
1人できょろきょろと周りを見渡している純喜くんを見つけた

「あ、A！」

「純喜くん。リレー見たよ大活躍だったね」

「せやろ？ゴールした時めっちゃ気持ちよかったわ〜」

「私のクラスメイトの子が純喜くんかっこいいって言ってた。人気者だね」

「ほんまに？嬉しいな！」

私はちょっとだけ寂しかったりする
お家では私だけに笑ってくれるけど学校では違う。
みんなにあのキラキラな笑顔を見せている

それがなんとなく気に入らないのだ

「あ！純喜〜、サッカー部の顧問があんたのこと探してるよ〜」

そう言いながら近づいてきた女の人は
多分、純喜くんのクラスメイトだ

「お〜、呼びにきてくれたん？ありがとう」

そうやって笑う純喜くんがやっぱり気に食わない

「えっ、なに年下に手出してんの？可愛い子捕まえんてんじゃん」

「違うわ！妹！」

「え、妹？あまり似てないね！めっちゃ可愛い！初めまして、純喜の友達の菜々子です」

「はじめまして。純喜くんがお世話になってます」

「はは、純喜と違って良い子だね笑」

「なんやねんそれ！…じゃそろそろ行ってくるな！A、1人でテント帰れるか？」

「うん大丈夫。借り物競走頑張ってね」

菜々子先輩は私と純喜くんのやり取りを不思議そうに見つめた

「橋本、山田先生のとこ案内してや」

「ジュース」

「しゃーないな」

仲良さそうな後ろ姿を見送る
少しだけ羨ましくなった