愛がなんだ (ページ17)

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タイムリミットページ17

お風呂上がりの熱がこもった身体を
夜風が心地よく冷ましていく

《ｺﾝｺﾝｺﾝッ》

「開いてんで〜」
　

扉を叩くと中から大きな声が聞こえた
私は扉を開き急いで中へと入る

「純喜くん、起きてた？」

「お〜、起きてたで」

「…勉強中だった？」

「いや、今休憩してたとこ。そえば今日瑠姫とハンバーグ食べに行ったん？」

「うん、入学祝いしてもらった」

「ええな！俺も行きたかったのに瑠姫が絶対ダメって言うから大人しく家帰ってきてん。羨ましいわ〜」

そう言いながら机の上のものを軽く片付けているあたり、きっと、今まで休憩中ではなかったのだろうと予想する

「受験勉強って大変？」

「ん〜、それなりに？まぁ、まだ3年上がったばっかやし、これからもっと大変になると思うけどな」

「…そっかぁ、これからもっと純喜くんと過ごす時間が減っちゃうんだね」

「別に気軽にここ来たらえぇやん！俺は別に邪魔とか思わんで？」

「でもお母さんは私がこの離れに行くこと嫌がるんだもん。純喜くんの受験勉強の邪魔するなって。今日だってこっそり来たんだよ？」

「ははは、おばさんAに厳しいもんな！俺には優しいねんけどなぁ」

「だって純喜くんは勉強もできてスポーツもできて社交的でしょ？お母さんは純喜くんのこと自慢の息子だって言うし、そりゃ可愛がりたくもなるよ」

「Aも十分やで？」

「…そうだったら困ってないよ」

「まだまだ先のことやけど、俺が大学生になってこの家出たら心配やな」

「え？大学入ったらこの家出るの？」

「言ってなかったっけ？俺大学入ったら一人暮らしするんやで」

「聞いてないよ！はやく言ってよ！一緒に暮らせるのあと1年もないじゃん…」

「ごめんって！俺が大学決めたのはAと会う前やし、しゃーないやん」

「…最悪」

「俺もこの家にA置いて行くのはちょっと心苦しいなぁ…」

そう言って純喜くんは困ったように笑った

「じゃあ私も同じ大学行く。そしたらまた一緒に居れるでしょ？」

「大学まで追っかけてきてくれるん？笑」

「だめ？」

「そんなん嬉しいに決まっとるやん！」

「絶対追いつくから待っててね」

「はははっ、それなら勉強もっと頑張らんとな」

そう言って純喜くんは楽しそうに笑った

　