愛がなんだ (ページ16)

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ハンバーグページ16

私たちの目の前には美味しそうなハンバーグが並んだ

「遅くなったけど、入学おめでとう」

「ありがとう、瑠姫くん。美味しそう！食べていい？」

「良いよ、はやく食べな」

「いただきます」

「熱いから気をつけてね」

「…美味しい！！っけど熱っ！」

「ははは、ほら言ったじゃん」

楽しそうに笑う瑠姫くん

はじめて会った時のハンバーグをご馳走するという約束を律儀に守ってくれるような優しい人だ

私は瑠姫くんをもう1人のお兄ちゃんのように思っているし、実際、瑠姫くんだって私を妹みたいだって言ってくれる

はじめはAちゃんと呼んでいたけど、
慣れてくれると純喜くんのように呼び捨てで呼んでくれるようになった

私も、白岩さんから瑠姫くんと名前で呼ぶようになった

仲良くなって距離が縮まった証拠だろう

「まさかAが男友達作るとはね」

「予想外だった？」

「うん、かなり」

「まぁ私も拓実みたいな人気者と仲良くなれるなんて思ってなかったし」

「へぇ、あの子人気者なんだ。確かに顔かっこよかったもんね」

「あ、拓実はサッカー部の2年の景瑚くん？って人と幼馴染らしいよ？知ってる？」

「えっ、景瑚と幼馴染なの？」

「あ、そりゃ同じチームメイトだから知ってるよね」

「景瑚はサッカー部の中で1番仲良い後輩だよ。あいつ生意気だけどなんか憎めないんだよな」

「純喜くんとも仲良いの？」

「うん、あいつも景瑚のこと可愛がってるよ」

「そうなんだ、今度拓実に話そっと」

「純喜は知ってんの？」

「何を？」

「人気者のかっこいい男友達がいるってこと」

「わざわざそんなこと言わないよ笑」

「純喜のことだからそのこと知ったら大慌てだろうねぇ」

「なんで？」

「可愛い妹にわるい虫がくっついたって。あいつシスコンだもん」

「拓実はそんなんじゃないよ笑」

「そう？ならいいや。俺も安心」

「瑠姫くんも？」

「うん、俺にとってもAは可愛い妹だしね」

そう言って意地悪な顔をして笑った

「瑠姫くん、面白がってるだけでしょ？」

「そ、大正解」

「うわぁ、やっぱり意地悪だね」

「はははっ、ハンバーグ奢るから許して」

そう言って私の頭を撫でた瑠姫くん
いつもそうやって丸め込まれるのだ

　