愛がなんだ (ページ11)

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お守りページ11

　
　

受験前、最後の勉強会

隣に座っている純喜くんは
私が解いた解答用紙に赤ペンで花丸を書いた

「良くできました！」

「やった。花丸だ」

「Aなら絶対受かるから。焦らず落ち着いてな！！」

「本当にありがとう。純喜くんが教えてくれたこと無駄にしないように私、頑張るね！」

「Aはもう頑張ってるで。あとは、その頑張りの成果を出すだけ！」

「ふふっ、そう言ってくれてありがとう」

「なんと！そんな頑張ってる妹に、お兄ちゃんからプレゼントです！！」

じゃーん！と言いながら
机の引き出しから取り出したのは
双葉の形をしたキーホルダー

それを私の顔の前でを揺らした

「私にくれるの？」

「そやで！めっちゃ可愛いやろ？」

「ありがとう、すごく可愛い！でも、なんで双葉？」

「それがな、ちゃんと意味があんねん！あのな双葉ってな、植物が成長して最初に出る葉っぱやろ？だから、Aの頑張りの成果も双葉のようになりますようにってこれにしたってわけ！」

純喜くんは得意げにそう話した

純喜くんがプレゼントしてくれたものだから
もちろんうれしかったけど、意味を聞いて
このキーホルダーがより宝物に思えた

「ありがとう…受験の時ももちろん持って行くし、一生大切にする！」

「あはは！言ったな？絶対やぞ？失くしたら許さんからな！笑」

「失くさないよ！ほら、これで絶対になくさないでしょ？」

私はそう言って家の鍵にキーホルダーをつけた

「うん！完璧やな！笑」

そう言って笑った純喜くんは
いつものように私の頭を撫でた

受験に失敗して母に失望されたらどうしよう。と、
そう悩んでいた日々が馬鹿らしくなるほど
今日は心がすごく落ち着いている

それは紛れもない純喜くんのおかげで、
感謝してもしきれなかった

　

「早く純喜くんと一緒に学校行きたいなぁ…」

「俺も。めっちゃ楽しみ」

私の家族になる人が
純喜くんで本当に良かったと、改めてそう思った