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匂いを見る ページ2
私にとって母の匂いとは
洗濯物を干している時の柔軟剤の香りでもなく
キッチンに立って料理をしている時の
美味しそうなご飯の匂いでもなく
ドライヤーで髪を乾かして貰った時の
シャンプーの香りでもなく
隣で抱きしめて寝てくれた時の
あの優しい匂いでもなく
夜中にふらふらと家に帰ってきた時の
お酒と香水とタバコの匂いが混じった
思わず眉を顰めてしまうようなキツい匂いだった
「Aはお母さんみたいになっちゃ絶対にだめだよ」
母は幼い頃からいつも私にそう言った
私も幼いながら、
母のようになりたいと思うことはなかった
友達の母親を見る限り、
私の母が普通ではないと理解していたからだ
無駄に整った顔
煌びやかな洋服
キツい匂い
私に一切触れない綺麗な手
友達の母親は優しい匂いを漂わせながら
私の頭をよく撫でてくれた
そして、決まって
可哀想なものを見るような目で私を見るのだ
そんな世界が急に変わったのは
中学3年生の頃だった
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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作者名：bompomi | 作成日時：2023年9月4日 2時
