愛しい僕の奥様 (ページ29)

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きっかけ２ページ29

YN「Aーっ！」

「あぁ、ユノ～」

楽屋で僕を見つけて駆け寄るA

初めて見た時のAの笑顔と今も同じ

このAの笑顔に、僕は今も堕ちたままだ

・

YN『携帯。教えて下さい』

『えっ？』

YN『また誘って良いですか？
また会いたいから。Aさんに』

『あ、あの…』

連絡先を交換した僕ら

その日から、僕の猛アタックが始まった

時間があるときはメールを送り

Aの仕事が休みの日は電話をした

忙しくて会える時間を作るのが難しかったけれど

毎回、僕の気持ちがちゃんと伝わるように

言葉を選んだ

けれど、Aはなかなか堕ちてはくれなかった

やっと時間を見つけてAに会える日

僕はきちんと告白をしようと考えていた

”好きです。付き合ってくれますか？”

自信はなかったけれど

真っ直ぐにきちんと気持ちを伝えれば

きっとAは分かってくれる筈・・・

そう信じていた

そして、告白の時

YN『Aさん？』

『はい』

YN『…好きです。僕と…付き合って、くれますか？』

『私・・・』

彼女もまた、真っ直ぐに僕を見つめて

言った

『恋愛はゲームとは思っていません。

その先には結婚がある。私はそう考えています』

YN『はい』

『もしユノさんにその気持ちがないなら、私はユノさんとお付き合いすることは出来ません』

YN『僕は』

『ユノさんは有名人です。とても。
沢山の方からモテると思います』

YN『いいえ、僕はっ』

『私じゃなくても、良いんじゃないですか？』

YN『えっ・・』

『結婚するのなら、同じ国の方って…思っているでしょ？』

YN『っ・・・』

『ユノさんのご両親もきっとそうお考えだと思います』

YN『Aさん・・』

『…今まで、楽しかったです。ありがとうございました』

YN『！？』

『素敵な人に、出会えると良いですね』

Aは真っ直ぐに、何にも揺れることなく

僕にそう言って、微笑んだ

僕はAとどうしたい？

僕の未来に彼女は必要か？

Aじゃない女性の隣で笑う自分を想像した時

何故だか、胸の奥がぎゅっと痛くなった

答えは簡単だった

YN『僕の未来にAさんが必要です』

『ユノさん？』

YN『恋愛はゲームなんかじゃない。
ちゃんとその先に未来があります。

僕と…付き合ってくれますか？

僕の未来に、Aさんがいてほしい』

それは、プロポーズのような告白だった