春の一コマ その7 ページ11
「えーっと、では。今からここ、美術部の部活説明を始めさせていただきます。説明は僕、真桑が担当させていただきます。」
結局、二年生の真桑先輩が部活説明をしてくれることになった。
最初のほうは凛が説明をしていたんだけど、この世の終わりかってくらいグダグダになっちゃったからバトンタッチしたみたい。凛が、台本があったらもっとうまくできてた…って落ち込んでたよ。
「えー、まず、主な部活内容。基本的に美術部と言えば、絵を描いているイメージがあると思いますが、御覧の通り。まったく絵を描いておりません。」
「次に、活動時間や活動期間。こちらは、朝練ナシ、土日の部活なしのホワイト企業となっております。」
僕自身、それ目当てでこの部活に入りましたし。と真桑先輩が付け足す。
「えーっと、とりあえずはこんなもんでいいでしょうか。なにか質問がある人はおりますでしょうか?」
「…では、一つよろしいでしょうか。」
峰岸くんが手を上げる。
「ところどころに散らばっている書籍はTRPGのルールブックでしょうか?」
てぃーあーる…ぴーじー?るーるぶっく?
RPG?ってことはゲームかな…?
「なっなに?!きっ君!ちょ、ちょっといいかな?!」
んおっ?!凛が食いついた?!
「も、もしかして君もTRPGプレイヤーか?!い、いや、GMでもぜんぜん構わんが!」
「はい。一応PL、GMどちらの経験もありますね。」
「お、おおぉぉ…ほ、本当か!!じ、実は俺もPL…と言い切れるほどはセッション回せてないんだが。ま、まぁエアプながらもある程度の知識は有しているぞ!!と、特にTRPGのなかでは…」
うわ!急に饒舌になった!!しかも口調が若干おかしい!!
「…あのー。凛先輩、僕たち美術部員は慣れているとはいえ、一年が困惑…というか引いてるんで一旦止めてもらっていいですか?」
「っえ?!お、おう。そうか…峰岸君、だったか。もし美術部に入ることになったら、是非ともなんらかのTRPGをやらないか?!とても面白そうなシナリオがあってな?!」
「はい撤収ー」
「ちょ?!アイカ!!やめろぉ!引きずるなぁ!!あともうちょいで終わるからぁ!!」
…凛は叫びながらアイカ?先輩に部室の外に引きずり出されて行った。
1人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:とうふけいじょし@めんつゆがけ | 作成日時:2019年6月9日 20時