生きた証を、この世界に［桃］II

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口元でシューシュー音がして、苦しくなって目が覚めた。




あれ、いつもと、天井が違う......




「手越さん？分かりますか？」




知らない看護師さんに顔覗かれて、意識あるか確認された。




口についてた管が抜かれた時吐きそうになった。




「おえっ...... げほげほっ、.......はぁ、」

「大丈夫ですよ、ゆっくり呼吸してください」




背中さすられて、酸素マスク付けられて、点滴が変えられてる間にまた眠たくなってきた。




何があったか全然覚えてない。でも、入院して、悔しかったことは覚えてる。




本当は働きたいのに身体は正直だから、働けるような状態じゃないのは自分でも分かってた。




だから、みんなの顔見ると苦しくなって、せっかくお見舞いに来てくれても上手く話せなくなった。




熱は下がらなくて、それどころか毎日どんどん辛くなって、気付いたら今。




みんなに、会いたいな......




あんなに自分から距離作って突き放したのに、今更会いたいなんて、ほんと、わがまま。




だから多分、バチが当たったんだと思う。目が覚めてから何日も、何日も、メンバーは誰も来てくれなかった。




見放されたんだな、俺。NEWSに、捨てられちゃったんだ。




そう思ったら、悲しくなって、寂しくなって、涙がいっぱい出てきた。




どうしたら良かったの？俺、どこで間違えちゃったの？




病気になった時は、まだ頑張りたいって気持ちがあったのに、いつからこんなに怖くなったの？




「っ......、」




また、寝てるのに地震が来た。頭の中の地震。ぐらぐらぐらぐらずっと揺れて気持ち悪い。




むかむかして、吐きそうなのに、食べてないからもう吐くものがない。




誰かに背中さすってほしいのに、誰も来てくれない。




寂しい、会いたい、助けて......




そう思いながら、目を閉じて、逃げるように意識を飛ばすことには、もう慣れた。




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(病ませすぎ感。大丈夫？)

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