生きた証を、この世界に［桃］II

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エレベーターに乗った瞬間に襲って来る動悸。




心臓がバクバクして、背中が震えて、なんでか分からないけど立っていられなくなった。




" 怖い "




そう思った時には、息が早くなって、聞こえて来る音すらも怖くなった。




「てごし？どうしたの？」




それでも大好きな相方の声だけは優しくて、心地良くて、その手が引いてくれる方について行ったら、目の前が明るくなった。




「てごちゃん、どうしたの......？」




気づいたら慶ちゃんもいて、2人の顔を見たらますます涙が止まらなくなる。




なんで？俺、なんで泣いてるの？




自分でも分からないの、苦しくなるのも、震えるのも、何が原因か分からない。




「わかんない、けど、っ、怖かった......」




そう言えば、2人は呆れることなく背中をさすってくれて、しばらくしたら落ち着いてきた。




「さっきの..... 発作、かな......？」

「うーん、なんだろうね...... こわかったの？」

「なんか、ドキドキした、お化け屋敷、入った時みたいな感じ......」




スタジオに着いて、スタッフさんが準備してくれてる間にまっすーと話をして、




そしたらまっすーはこんなこと言うの。




「それさ...... 閉所恐怖症か、暗所恐怖症じゃない？」

「えっ、」




なんでいま？そんなこと、怖いと思ったことないよ？




でもさっきは怖かったんだから、もしかしたらそうなのかもしれない。




「今日はなるべく一緒にいるから、怖かったら言って？何が原因か俺も知りたいし」




そう言って笑ってくれるまっすーは、やっぱり優しかった。




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