生きた証を、この世界に［桃］

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「あっ、もしもし？シゲ？」

『小山さん。ごめんごめん、めっちゃ小説集中しちゃって気付かなかった』

「ううん、俺こそ仕事で遅くなってごめんね。連絡ありがとう」




手越も眠ってしまって、外もすっかり暗くなりかけてたから、一応帰る前にシゲに電話を入れたらやっと繋がってくれた。




「手越のとこ寄ってきたよ」

『ほんと？どうだった？』

「うーん。まだしんどそうだけど、気持ちよさそうに寝てた。ちょっと話せたし本当安心したわ......」

『そっかそっか。俺らも仕事あったから帰っちゃって、顔色は良くなってたけど心配してたんだよね』




そのあと、何も聞いていなかった今日のことをシゲが簡単に教えてくれた。そりゃ、まっすーもびっくりしただろうなあ。いつも近くにいるから余計に。




「俺がいない間に色々ありがとうね。大変だったでしょ？今日はゆっくり休んで」

『小山さんこそ、仕事お疲れ。俺も今日乗り超えたら落ち着くから、明日も手越んとこ行ってみるわ』




シゲとの電話を切ったあと、まっすーにも声かけとこうと思って発信ボタンを押す。仕事かな？と思ったけど、案外すぐに出てくれた。




『もしもし？小山？』

「うん、俺。まっすー、シゲから色々聞いたよ。今日は本当にありがとうね」

『ああ、ううん、大丈夫。びっくりしたけどね。手越のところは行ってくれた？』

「今寄ってきたとこ。とりあえず今は大丈夫そうだったよ」

『そっか...... 忙しいのにごめんね』

「何言ってんの。大事なメンバーが大変な時に、ほっとける訳ないでしょ？」




そう言ったら、まっすーはいつもみたいに ふふ って笑ってた。落ち込んでなさそうで良かった。




今電話した限り、明日はみんなオフみたい。俺も買い物行こうかなって思ってただけだし、明日は手越の様子でも見に来るか。




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