○ダンボール戦機ＷＡＲＳ●〜緋色の少女と・・・〜１０

◆帰って来い！ ページ8

明るく現状を語り続けるブンタだが、やはりユキジからはなんの反応も返ってはこなかった。
ブンタ＞それで・・・・・。
途中で語るのをやめ、明るかった表情は暗くなってしまった。
ノゾミ＞ねぇ、ユキジ。いい加減起きてあげなよ？みんなには、ユキジの存在が必要なんだよ？ユキジのお見舞いに来たいって言う人が、何人いるのか知ってる？ユキジがこうして眠り続けて、ちょっといなくなっちゃっただけで、クラスのみんながすごく暗いんだ。アラタが頑張って盛り上げてくれてるけど・・・。
タダシ＞でも・・・・・やっぱりユキジがいないと、なんだか物足りない気がするんだ。だから早く帰って来いよ。ユキジが戻って来たらさ、俺・・・・・ユキジと、勝負したいんだ。射撃の・・・・・ほら、ユキジって、スナイパーとしての腕前、結構良かっただろ？だから一回でもいいから、勝負してみたかったんだ。
顔を伏せてしまったタダシは、少しの間だけ黙っていたが、両手の拳を握り締めると最初は呟くように言った。
タダシ＞・・・・・【ボソッ】許さないからな。
ノゾミ＞え？
ブンタ＞・・・？
タダシ＞カイトに続いて、お前までいなくなったら・・・・・俺は許さないからな、ユキジ。絶対に帰って来い。
伏せていた顔を上げ、強い口調でそう言うタダシ。
ノゾミ＞タダシ・・・。
ブンタ＞・・・・・。


ユキジが昏睡状態になってから、１１日目・・・。

タケル＞ユキジ、久しぶり。
スズネ＞遊びに来たでぇ！
カゲトラ＞スズネ、ここは病室だ。もう少し静かにしろ。
スズネ＞わかってんねんけど、どうも嫌やねん！しんみりした空気は！ユキジかて・・・・・そんなん嫌やと思うから・・・。
カゲトラ＞スズネ・・・。
ジン＞・・・・・。
この日、ハーネスの第一小隊とジンは、一緒に見舞いに来ていた。
普段ジンがユキジの病室に来る時間帯はバラバラで、一番多いのは夕方。今回はたまたま彼らと一緒になったのだ。
タケル＞ユキジ・・・・・みんなが君のことを心配してるよ？知ってる？アラタ君達ジェノック第一小隊が、毎日お見舞いに来てるってこと・・・。
今までのみんなは、アラタ達が見舞いに来ると退散して行った。やはり同じ小隊の仲間だから、彼らだけにしてやろうと、みんななりのちょっとした配慮だった。
スズネ＞うちらんとこのクラスの女子、みんな寂しがっとるで？憧れのユキジがおらんって。
カゲトラ＞それはスズネだろう？
スズネ＞うっ・・・。

◇１２日経過・・・→←◇見舞う仲間達

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