透明ノ空 -2- (ページ3)

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48話『第一印象の大切さ』＊朱希ページ3

パァン、パァン

と、一定間隔で弾を消費していくシンを見たクレアは、顎に手を当てて難しい顔をした。

「うぅん、いい線までいってるんだけど……あ、ちゃんと狙いを定めて……そう、後は狙いがぶれないようにね」

「はい」

前回、上手くなった、実戦で使っても問題ない、と正直な感想を言ったところ

『俺は、完璧になるまで極めたい。もしできたら、片手で、しかも左手でも撃てるようになりたい……』

だから、もうちょっと見て欲しい、と真剣に言われた。なので、今も見ている次第。

そんなシンくんは今、いつも着けている眼帯を外して的を睨み付けていた。

隣で撃っているアヤちゃんは、初心者にしては上手かった。
アヤちゃんの後ろに立って、銃を押さえる。

「反動で狙いがずれてるよ。頑張って踏ん張って」

「……はい」

集中しているのか、あまり言葉を発さないアヤちゃん。彼女はより一層手に力を込めて引き金を引く。今度は、きちんと人形の的を貫いた。

†

戦闘部隊の練習後に場所を貸してくれるため、少ししか出来ない。
クレアさんの体力的な問題もあるし。
いつも、とても残念に思う。

終わった後、アヤさんとクレアさんと分かれた、俺(シン)は部屋に帰ろうとして廊下を歩いていたら、団長にあった。

挨拶をして少し歩いたら、一つ前の冒頭に戻る、的なノリでアリアさんと誰かさんがいた。

名前を聞いたところ、スピアさんらしい。

スピアさんの話を聞く限り、この透明の空団が何かに巻き込まれていく確信が出来た。

だから、ここで別れるのも手かもしれない。

だけど、俺は命を救ってくれたこの団の役に立ちたいと思っている。だから、関わってみようと思った。

この後、暇だからついていってもいい？……邪魔しないから

しかし、だんだん自信がなくなって声が小さくなっていく。

ん？いいんじゃない？ね、旅人君

あ、は、はい。いいんじゃ……ないでしょうか？
何故か疑問形で返すスピアさんは気まずそうだった。

首を傾げながら二人の後についていくシン。
だが、シンが自分自身の第一印象の悪さに気付く気配はなかった。