透明ノ空 -2- (ページ12)

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57話『否定なんて』*リリィ・トパーズページ12

正直言ってここの人たちはいい人である。

そう、“いい人”。

「すみません。団長さんとお話ししたいんですが？」

「なんだ？」

「できれば別の部屋でお話ししたいんですが？」

いつものペース、無表情。

相手にあたりさわりの無いように。

-別の部屋-

「で、話って何だ？」

「・・・あなたは色人の存在を否定しますか？」

まっすぐな目で団長さんを見つめる。

「・・・・俺たちのことが信用できないのか？」

俺をにらみつける団長さん。

「いえ、そういうことじゃなくて；；」

「それに俺も色人だ。心配しなくてもこの団に入ってるものは大半が色人だ。」

「否定なんてしない。」

少し遠い目をしながら優しく微笑んでくれた。

・・・ダメだ、涙腺弱くなったのか・・・？

俺の目から止めどなく涙が溢れてくる。

「ヒック・・・うぅ・・・・」

「ど、どうした？；；なんか悪いこと言ったか？；；」

「いえ、嬉しくって・・・否定されることが今まであったから・・・・」

「そうか・・・今まで大変だったな」((微笑

「うぅ・・・・ははは、ダメだな・・・」

もっと人を信じなきゃな・・・・

「俺も色人で昔からこの包帯をのけるなって言われてたんです。」

「なんでのけちゃダメなんだ？」

「×印です、襟足にあって。」

「へぇ～俺は足首にあるんだ。」

楽しいな、こんなに喋ったのはいつぶりだろうな。

ズキンッ

「ッ・・・・」

「どうしたんだ？」

「いえ！何でもないです。」

「そうか・・・何かあったら言うんだぞ？」

「はい」

にっこり笑ったけど・・・・・・

さっきの頭痛はなんだったんだろう？

俺が苦しみだす数時間前。