透明ノ空 -2- (ページ2)

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47話『その頃』＊朱希ページ2

「……どうした、団員君」

近づいてきた団員に気づき笑顔を張り付け、声をかけた少年が一人。

「こんにちは、誰……？」

見えている片目を睨みつかせ、不機嫌オーラを流してるように見える少年が一人。

「貴方こそ、どちらでしょうか……？」

入ってきた人の不機嫌オーラに眉をひそめ、気まずくなった少年が一人。

こんな修羅場(？)が起きるまで数刻前に遡る。

†

透明の空団が動き始めていることに知らない俺は、薄暗い階段を下っていた。

同じ始末部隊に所属して且つ、戦闘部隊にも所属しているクレアさんは、二丁拳銃をいつも扱っている。
なのでクレアさんに、苦手な銃の訓練をお願いしてもらってから、数ヵ月が経とうとしていた。

それにしても暗いな。と思いながら踊り場に着き、右に曲がると

「わああ！！」

「ああああああ！ってアヤさんっ！！」

暗い階段の先から現れたのは、ニヤけたアヤさんだった。

「さすが、シン。いい反応」

ぐっと親指を突き出したアヤさんを見た。情けない声を出してしまった口が憎い。

「ハァ、ところでアヤさん。何故ここに？」

「ああ、君がクレアに拳銃の訓練をしていると言っていただろう？自分もパーティーでクレアにお願いしたんだ

はあ

階段を下りながらルビーさんの事を話してくれた。大変なことになっているらしい。

沢山の人たちとすれ違いながらも目的の階に着く。これまた、薄暗い廊下を進んだ突き当たりに、大きな扉があった。
開けると、電気はついていないため真っ暗で、とても静か。
少し気にかかったけれど、意を決して一歩踏み出すと……

わああ！

ああああああ、って２人は同じ事しか出来ないのかい！？

複数人の笑い声が暗闇から聞こえる。ちょうど、戦闘部隊の練習が終わった頃なのだろか、俺の情けない姿を数人に見られてしまった。

あはは、ごめんネ

反省の色、なしだね！？

と俺の前に立っているクレアさんとアヤさんに向かって声を荒げた。