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「何の罰則？」
「あ、えっと…ちょっとどこだったか覚えてないんですけど、寮の部屋の扉、壊しちゃって…」
それを隠そうとしたから…
裕翔がそう続けようとした時、
「…いや、それって、だいぶ前から壊れてただろ」
「えっ」
「寮の一番端の部屋だろ、それ。あれなぁ…普段使われてないから変な噂があって、みんな近づかないんだよ。だから、ドア壊れてるけどそのままにしてたんだ。
…悪い、噂知らない一年が近づくとこまで予想してなかった…」
注意の看板でも立てておけば良かったなぁ…と薮は申し訳なさそうにした。
そして、「壊したって言うけど、何かの拍子にでも倒れたんだろ？怪我ないか？」と、薮はその状況を見ていたかのように的確な言葉をかける。
つまりそれほど、裕翔が「壊した」あのドアは、先輩たちの間では「壊れている」と認識されていたということだ。
あんな外れ方をしたドアでも、「もしかしたら自分の不注意だったかもしれない」と疑ったのに、全くの杞憂だったと知る。
そして、伊野尾が初めに「それ壊れてるんだよね」と言ってくれれば、嘘をつかずに済んだかもしれないのに…
驚いている裕翔が伊野尾を見ると、全てわかっていたようににこりと微笑む。
「ね？隠そうとした分って言ったでしょ？」
「っ、先輩ひどいですよ…」
怖かったのに…と、裕翔は悔しく思う。
もちろん、お尻だってヒリヒリと痛むというのに。
「お前、テキトーな理由で罰則したわけじゃないだろうな、」
「そんなわけないでしょお！壊れたこと、嘘ついて隠そうとした分にお仕置きしただけ」
ギャンギャン、と言い合う2人を微笑ましく見ていれば、
「あ、そういえば…はい。まだ撮ってる途中だったでしょ？」
「あ…」
テーブルの上に避難させられていたカメラ。
丁寧に持ち上げて、伊野尾は裕翔にそれを返した。
「続き撮ってきなよ。まだ人も少ないし」
「はい。…あの、えっと…ありがとう、ございました…？」
すみませんでした、とどちらが正しいんだろう。
そんなことを思いつつ、今日の罰則はこっちの方がしっくりくる気がする。
「ふふ、どういたしましてー」
ひらひらと手を振る伊野尾に見送られ、裕翔は事務室を出た。
気持ちは心なしかすっきりしていて、いい写真が撮れそうな気がする。
裕翔が出て行った事務室で、
「…ま、全部受け売りなんだけどね」
伊野尾が呟いたことは、裕翔は知る由もなかった。
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みつあめ(プロフ) - ともさん» ありがとうございます！何度も読んでいただいて嬉しい限りです😭‼️かなり不定期の更新ですが、今後ともよろしくお願いします！ (2022年10月24日 0時) (
レス) id: 19e769908e (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 何回も読んでたお話だったので更新されて嬉しかったです！また楽しみにしています！ (2022年10月23日 17時) (レス) id: 5321468578 (このIDを非表示/違反報告)
みつあめ(プロフ) - ゆずかさん» コメントありがとうございます！可哀想な山田さん好きなんですよね…笑 お酒の話は構想としてありました！ので、時間はかかるかと思いますがお届けできるかと思います…！ (2020年5月2日 21時) (レス) id: 19e769908e (このIDを非表示/違反報告)
ゆずか(プロフ) - もしリクエストが可能であれば………調子になっちゃった年下君たちがタバコかお酒に手を出してみっちり叱られる作品も見てみたいです^ ^みつあめさんの作品大好きです。これからもお体に気をつけて無理なさらないでくださいね。ご自身のペースでの更新楽しみにしてます (2020年4月30日 2時) (レス) id: a1b53c5ee3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずか(プロフ) - お道具を使われる山ちゃんにゾクゾクしました。最高の作品をありがとうございます^_^ (2020年4月30日 2時) (レス) id: a1b53c5ee3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みつあめ | 作成日時：2019年12月8日 18時
