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頭がはてなマークだらけの涼介に、伊野尾が説明するように言った。
「これはね、道具っていうんだよ」
「どう、ぐ…？」
「ほんと、優しい寮長でよかったよね。薮くんがさ、一年生に最初から使うのはかわいそうだからって、今年は一年生にだけ封印してたんだよ」
「え、…え？それってどういう…？」
涼介にはいまだに分からない。
事務室の大きなテーブルに並べられたそれが。そして、先輩たちの言っていることが。
小学校で使ったような30センチの木のものさしに、もっと長いものさし。
プラスチックの定規は細いものから太いものまで、長さの違いを含めれば８本はある。
さらには、金属製のものも…
他に見受けられるのは、靴べら。
定規やものさしと同様、長さや素材の違いで数種類あるようだ。
洋服ブラシ、ヘアブラシ、布団叩き、しゃもじ、パスタスケール…日用品と思われるものが多かった。
しかし、その他にも見慣れないものがいくつかある。
羽子板のような…それでいてもっと大きくて厚い木の板。これが多きさを変えて数個。
また、ヘアブラシのブラシ部分が付いていないものも大きさや柄の長さを変えて数個。
それから、竹刀の先の部分を分解したような竹の棒…もいくつかバラバラとテーブルの上に乗っている。
そのほとんどの持ち手の先に、ぶら下げておけるようになのか、紐が括り付けられていた。
「いや…え？これ…このガラクタ、何かに使うん、すか…？」
涼介にはガラクタに見えたそれ。使用方法など検討もつかなかった。
すると、
「封印してたから知らないだろうけど…。これで罰則する…時もある、って言ったほうがいいのかな？」
「へっ？」
「叩くんだよこれで。つまりこれは、罰則のための『道具』、ね」
「…えっ！！？」
薮にそう聞かされてから、目の前のガラクタは一気に恐ろしい凶器に見えた。
こんなものでお尻を叩かれたら…想像もしたくない。
「いや、え…ウソ、ですよね、先輩っ…」
「嘘じゃないよ？おれらが1年の時は、3回事務室に入ったら次は道具って必ず脅されてさ」
「そうそう。これがね、ずらーって並んでんの。そこの寮内規則と罰則の紙の下に。めちゃくちゃ怖かったよね(笑)」
「ま、道具の方が痛いから回数は罰則規定の半分になるんだけど…」
先輩が語る話はリアルで、嘘でないことがはっきりわかる。
それでも、涼介は嘘だと思いたかった。
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みつあめ(プロフ) - ともさん» ありがとうございます！何度も読んでいただいて嬉しい限りです😭‼️かなり不定期の更新ですが、今後ともよろしくお願いします！ (2022年10月24日 0時) (
レス) id: 19e769908e (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 何回も読んでたお話だったので更新されて嬉しかったです！また楽しみにしています！ (2022年10月23日 17時) (レス) id: 5321468578 (このIDを非表示/違反報告)
みつあめ(プロフ) - ゆずかさん» コメントありがとうございます！可哀想な山田さん好きなんですよね…笑 お酒の話は構想としてありました！ので、時間はかかるかと思いますがお届けできるかと思います…！ (2020年5月2日 21時) (レス) id: 19e769908e (このIDを非表示/違反報告)
ゆずか(プロフ) - もしリクエストが可能であれば………調子になっちゃった年下君たちがタバコかお酒に手を出してみっちり叱られる作品も見てみたいです^ ^みつあめさんの作品大好きです。これからもお体に気をつけて無理なさらないでくださいね。ご自身のペースでの更新楽しみにしてます (2020年4月30日 2時) (レス) id: a1b53c5ee3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずか(プロフ) - お道具を使われる山ちゃんにゾクゾクしました。最高の作品をありがとうございます^_^ (2020年4月30日 2時) (レス) id: a1b53c5ee3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みつあめ | 作成日時：2019年12月8日 18時
