検索窓
今日:16 hit、昨日:29 hit、合計:593,932 hit

15.MG ページ15

Side.MG




デビューしてから現在まで何人、いや何十人と宿舎の家政婦が来ては去っていった。


忙しいスケジュール、未だ一位を取れていない不安、そして本来なら心を休める場所である自宅でさえ安寧は訪れなくて。
仕事は待ってくれないし、ダンス、ラップ、歌の練習だってある。
耐えかねた俺たちはマネージャーと代表に直談判した。

"もう無理です!家政婦はいりません!"


何故早い段階でこの決断をしなかったのか、メンバー会議で笑いながら話した。
久しぶりに笑ったメンバーを見てなんだか泣きそうになったのは内緒にしておきたい。





しかし数日もすれば見るからに家の状況が宜しくない方向に向かい始めたのを感じた。


溜まるゴミ、重なる服、物、靴。


不衛生なこの状況で俺はどうにも安らげなかった。

"俺がなんとかしなきゃ"

そう思い、仕事が終わって宿舎に帰れば洗濯機を回し、ゴミを纏め、やれるだけキレイにした。
自分のためでもあるが、こんな環境じゃ一位獲得なんて無理だと思ったから。


でも、メンバーは、ヒョンや弟たちは何も言わなかった。言ってくれなかった。


"ありがとう"


一回でいいから言って欲しい、そう思わない日々はなかった。



だから、今回マネヒョンから新しい家政婦を紹介された時、正直に言えば肩の荷が降りた。


どんな人だとか、また始まるのかとか、そんなんどうでも良かった。



メンバーと宿舎に帰れば久しぶりに見た綺麗で清潔な部屋、環境。
"おかえりなさい"
迎え入れてくれる温かい空気。

スングァニが彼女に懐いたのが目に見えてわかった。

クプスヒョンが昨夜に皆を集めて会議を開いた場でスングァニがニコニコ笑っていたから。


(羨ましいな…)


ぽっ、と胸に落ちてきた言葉は心に染みを作って濃い色で黒を飲み込んでいった。







苦しくて、苦しくて、シにまくないのに、楽になりたいと思う気持ちが強くなる。



苦しい、苦しい…!!!






「ミンギュさんですよね、初めまして佐野Aです。昨日挨拶させて頂きましたが覚えてますか?」






暗闇に堕ちていた俺の心を掬いあげる優しい声に目が覚めた。

16→←14



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (339 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1258人がお気に入り
設定タグ:SEVENTEEN , K-POP , セブチ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Nino(プロフ) - 結さん» 初めまして!コメントありがとうありがとう(^^)おぉ!ありがたい言葉まで…励みになります(>_<)これからも楽しんで貰えるように頑張ります! (2019年8月23日 7時) (レス) id: 7e4f124d1a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - こんにちは!このお話面白すぎません?なんなんですか。更新頑張ってください!!q(*・ω・*)pファイト! (2019年8月22日 8時) (レス) id: 635e1ef721 (このIDを非表示/違反報告)
Nino(プロフ) - 山内優菜さん» 初めまして!コメントありがとうございます(^^)暖かいコメント励みになります!楽しんでもらえるように頑張りますね(><) (2019年5月31日 22時) (レス) id: 7e4f124d1a (このIDを非表示/違反報告)
山内優菜(プロフ) - 初めまして!毎回楽しみにしてます(*´∀`)無理しないで頑張って下さい! (2019年5月31日 0時) (レス) id: 6807067b24 (このIDを非表示/違反報告)
Nino(プロフ) - カナタさん» 初めまして!コメントありがとうございます(^^)更新頑張ります!是非楽しみにしていて下さい!! (2019年5月23日 16時) (レス) id: 7e4f124d1a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Nino | 作成日時:2019年5月20日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。