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俺がそんな事…!!と真っ赤な顔で太宰に弁明する国木田を生温かい目で見守る探偵社員。

「国木田も素直になれば良いのに」

「本当ですね」

アルバムを見ながら乱歩が呟く。するとある頁で手を止めた。

「これ、A兄の家族?」

『ん?…嗚呼。父様と母様』

頷き、Aは乱歩の隣に腰掛けた。

写真に写っていたのは、美しい三人の家族だった。

黒い、綺麗に整えられた髪に切れ長の瞳に白い肌。緩くカーブを描いた口元から優しそうな性格が伺われる男性。

その男性の横で椅子に腰掛けているのは銀色の髪を後ろで纏め、紅いリボンで結っている女性。翡翠色の瞳に此方も白い肌。男性と同じ様に微笑む口元にある黒子が特徴的だ。

そしてその二人の男女の前に緊張気味で立つのは小さな秀麗な顔立ちの子供、A。

幸せそうな家族に周りは和やかな表情になるがAは唇を噛み締めた。


『…もう良いだろう、アルバム』


氷のように冷たい声に全員が動きを止め、Aを見た。Aは顔を下に向けているため、此方からは表情が伺えない。

然し、何時もとは違う雰囲気に少し気圧される。

「A兄さん…?」

『…御免、でももう無理なんだ』

氷の様な声から今度は涙交じりの声に変わり、皆は目を丸くする。


『もう…辛いから』


子鹿の様に震えたAを見て、事務所に沈黙が訪れる。
先程の騒がしさの余韻は全く無い。

「A兄さん。…御免」

太宰がAに歩み寄り、そして抱き締めた。

『良いんだ…ボクが、勝手に』

すると乱歩がアルバムから何かを見つけた。

「A兄、これ入ってたよ」

『…DVD?』

乱歩から受け取り、Aは首を傾げた。
DVDの表には【Aへ】と綺麗な字で書いてあった。

『これッ…。母様の字だ…』

一瞬、嬉しそうに目を輝かせるが、直ぐに瞳に影がさす。

その姿を見て敦は云った。

「…A兄さん、僕の勘…なんですけど」

『…?』

「その中にこのアルバムのヒントがある、気がするんです、」

自信なさげに微笑んで敦はAを見据える。


「…見てみませんか?」


その真っ直ぐな瞳を見て、Aは息を呑み───



『─分かった』



強く頷いた。

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菜月羽(プロフ) - 金糸雀さん» 大丈夫ですよ!ありがとうございます!!早めに書き始められるように頑張ります!これからもよろしくお願いします! (2018年5月6日 6時) (レス) id: 386948e46a (このIDを非表示/違反報告)
金糸雀 - すみません。少しミスってしまいました。 改めてDEADAPPLE編楽しみにしています! (2018年5月6日 2時) (レス) id: ecebeb527e (このIDを非表示/違反報告)
金糸雀 - とても面白かったです。 DEADAPPLE編 (2018年5月6日 2時) (レス) id: ecebeb527e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:菜月羽 | 作成日時:2018年3月5日 20時

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