104.遅かれ早かれ ページ29
ー黄ー
黒「ここが、俺らが今いる部屋。」
立体のその建物は俺らが今いる館を示しているようだった。
横山くんが指をさした所には、それぞれのブローチの色の丸が５つある。
紫「この丸が俺らを示してるんやね？」
黒「そのはず。で、青とオレンジの丸はどこや？」
館は思ったよりも大きく、まだまだ沢山の階があることがわかる。
そんな中、俺はオレンジの丸を見つける。
緑「あれ、2人一緒とちゃうの？」
赤「青い丸が無いんやけど…。」
その2人の言葉でハッとする。
ヤスとマルは一緒に行動していたはず。
それなのに、どうして2人一緒にいないのだろう。
そして、ヤスの丸が見つからないのはどうして？
紫「ヤバない？ヤスはこの館から脱出したってことやんな？」
黒「それは無い…と思う。多分、認識出来ないどこかにいるだけや。」
横山くんはそう言うが、不安と焦りの感情が感じられた。想定外だったのだろう。もちろん俺らもやった。能力が完璧に発揮されないのはおかしいから。
これに関しては、能力の不備、というよりもあちら側が横山くんの能力を邪魔しているように感じる。
いつからかはわからないけど、出来事に秘められた感情まで読み取ることが出来るようになった。
だから、きっとこの館から脱出したという事実は無いだろう。
緑「ヤスの居場所が分からないんじゃ、どうしようもならないよな…… 」
赤「とりあえず、マルとだけでも話そうや。表示されてないだけで、案外側にヤスがおるかもしれんし。」
黄「…せやな。遅いより早い方がええし。」
黒「気をつけてな。…マルの居場所は、あのでっかい海や。」
赤「了解。頼って正解やったわ。」
すばるくんは赤い石を握る。急いで俺も、すばるくんの行動を真似た。
紫「あ、たつ！」
緑「なに？」
紫「その台本、すこし見させてほしい。」
村上くんは、真剣な真っ直ぐな目でそう言う。
心の中で考えていることは、それ以上でも以下でもなかった。
緑「わかった。役に立てるなら。」
手渡すと、彼はまた表情を変え、笑顔になった。
口元から覗く牙にも少しだけ見慣れてしまった自分がいる。
日常の変化は恐ろしい。
そう感じながら、赤い石に念じた。
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朱狐(プロフ) - ハニーレモンさん» 本当ですか！ありがとうございます！励みにして頑張ります！ (2019年9月28日 8時) (
レス) id: 576e85210a (このIDを非表示/違反報告)
ハニーレモン - はじめまして最初から読みました。安くんの存在も気になります。すばるくんには主人公ちゃんを最後まで守ってあげてほしいです。楽しみに待っています。(*^-^*) (2019年9月28日 0時) (レス) id: 74ed2de143 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朱狐 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=tikuwa123456789&scr=novel/bokuranokako...
作成日時：2018年2月8日 19時
