101.運命の変え方 ページ26
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赤「なりたないやろ？吸血鬼になんて。」
ずっと黙り込んでいたすばるくんは、私にそう言った。
即、頷いた。
赤「俺はなんとしてでもAと、みんなと一緒にここから出たい。今望んでるのはそれだけや 」
うんうん、と他の2人も頷く。
そうだよね、ここに囚われているのは私だけじゃない。
他の7人も、私と同じようにこの館の中に閉じ込められている。
それだったら、“みんなで”ここから出られるのが1番良い。私にとっても、きっとみんなにとっても。
緑「やっぱり、誰かが魔法使いにならんとアカンのかな…。黒猫が嘘ついてるかもしらんけど 」
黄「それは最終手段やろ？やっぱ、俺は章ちゃんとマルとも協力せなアカンと思う 」
緑「それもそうやねん。それに魔法使いの力を使うなら、誰かを最悪犠牲にせなアカンから……。」
それを聞いて、すばるくんの顔色は少し強張った。
やっぱり、誰も犠牲にしたくないんだと思う。
緑「じゃあ、ヤスとマルんとこ行ってみる？横山くんに場所調べてもらって。」
赤「ええけど、もう殴り合いは勘弁やで。力を使い過ぎたら“完全な吸血鬼”になるかもわからんから 」
黄「なんやっけ、感情を失ってまうんやったか。それだけは嫌やな 」
緑「大丈夫。俺も戦うのは嫌やもん 」
安心してな、って私を向いて微笑む大倉さん。
イケメンすぎて安易に惚れそう……なんて考えてる場合じゃないけど。
赤「Aはちゃんと部屋で待ってるんやで 」
『うん。ちゃんと待ってる。』
ここで出しゃばる所じゃない。何かみんなのために出来ることがあるにしても、今じゃない。
その後、不思議な赤い石で私のいた部屋に戻してくれた。
赤「運命、変えてくるわ 」
なんて笑顔で言ったすばるくん。
その唇からは牙が覗いていて、心がチクっとした。
数時間ぶりにベッドに横になる。
“完全な吸血鬼になると、感情を失ってしまう”
そんな重い現実が、まだ頭の中をグルグルしていた。
それをも全て背負って、彼らは私を助けようとしてくれているのだ。
私のために。みんなのために。
でも、ここでふと気がついた。
私には、何ができるの？
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朱狐(プロフ) - ハニーレモンさん» 本当ですか！ありがとうございます！励みにして頑張ります！ (2019年9月28日 8時) (
レス) id: 576e85210a (このIDを非表示/違反報告)
ハニーレモン - はじめまして最初から読みました。安くんの存在も気になります。すばるくんには主人公ちゃんを最後まで守ってあげてほしいです。楽しみに待っています。(*^-^*) (2019年9月28日 0時) (レス) id: 74ed2de143 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朱狐 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=tikuwa123456789&scr=novel/bokuranokako...
作成日時：2018年2月8日 19時
