95.あの日の約束 ページ20
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手に持っていたはずの鈴は、またいつのまにか消えていった。
まだ放心状態の体は、横になることを望んでいた。
赤「…なんやこれ」
ソファに腰掛けると、テーブルの上には見慣れないものがある。
Aが置いたのだろう。
それにしてもいつの間に…。
赤色の袋に入っている何かと、
紙…いや、封筒ごと置かれているから、多分手紙だろう。
とりあえず、赤い袋から開けてみる。
赤「…？」
現れたのは、赤い何かの石をモチーフにしたペンダントだった。
これまた、いつのまに用意したのだろう。
見れば見るほど綺麗で、吸い込まれそうだった。
そして、白い封筒の方を開けてみる。
そこには、綺麗な字で俺宛のメッセージが記されていた。
_______________
すばるくんへ、
急に帰ってしまってごめんなさい。
けど、やっぱり考えれば考えるほど、お母さんを置き去りにできないと思いました。
だから、すばるくんを嫌いになったわけじゃないよ。
私は、この1ヶ月間すごく楽しかった。
久しぶりに味うこの感覚。
それはね、“幸せ”って思う気持ちだった。
ありがとう。思い出させてくれて。
最後に、
私はお父さんに立ち向かうことに決めた。
もしかしたら挫折してしまうかもしれない。
どこか別の場所に逃げてしまうかもしれない。
けど、お父さんが暴力を振るうのをやめるまで、私は負けないでいようと思う。
だから、胸を張って“幸せ”だって言えるようになるその時まで、
すばるくんには会わないことに決めました。
出会えて、本当に良かった。
Aより。
_____________________
泣きたいのに、涙が出てこなかった。
やっぱり、神様って残酷だと思った。
けど、これがAの決めたことなら、俺はそれを守るしかない。
この1ヶ月間の記憶が無いにしても、
Aとの約束を、破るわけにはいかないから。
いつかまた、暗闇の
過去編 fin.
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朱狐(プロフ) - ハニーレモンさん» 本当ですか！ありがとうございます！励みにして頑張ります！ (2019年9月28日 8時) (
レス) id: 576e85210a (このIDを非表示/違反報告)
ハニーレモン - はじめまして最初から読みました。安くんの存在も気になります。すばるくんには主人公ちゃんを最後まで守ってあげてほしいです。楽しみに待っています。(*^-^*) (2019年9月28日 0時) (レス) id: 74ed2de143 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朱狐 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=tikuwa123456789&scr=novel/bokuranokako...
作成日時：2018年2月8日 19時
