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111.鍵を見つけるために ページ36

ーAー









こんなに平和な時間を過ごせているのも、とても久しぶりな気がする。


珍しく来客者は来ないし、だからといって外を出歩くつもりもないので1人の時間を謳歌していた。


…まぁ、やることなんて無いからぼーっとしてただけだけど。









『暇ソウダネ。僕ト話サナイ?』







突然その声が聞こえて、起き上がって辺りを見回す。


黒猫は、タンスの上に座っていた。
いつの間に……全く気づかなかった。




『あ、やっぱりさっきの黒猫…… 』


『ウン、サッキハタマタマ通リカカッタンダ』




私からしたら良いイメージしか無かったのだが、さっきの大倉さんの言葉を思い出し、少しは警戒しなくちゃいけないと感じた。


だって、私も魔法使いになんてなりたくない。


力と引き換えに命を……なんて考えるだけで体が震えそうだ。
私にはできっこない。




すると黒猫は、しなやかな動きで私のベッドの上に跳んできた。

よく見ると毛並みは整っていて、赤の瞳がなんとも美しい。






『所デ、君ハドウヤラ元ノ世界ニ戻リタイ様ダネ』



『え、なんでそれを… 』




いきなり聞かれたくないものを聞かれて動揺した。
だって、この黒猫が私をここまで連れてきたのだから。
しかも、それはこの黒猫には伝えたことは無い。
なんで知っているのか、不思議で仕方なかった。





『…タマタマ聞コエタダケダヨ。デモ、ソウ思ウノハヤメテホシイ。』



『どうして?確かに私は自分で選んでここに来たけど…… 』



『違ウ。僕ガ“君ヲ選ンダ”。』



『え……?』





どういうことかさっぱり理解できない、


確かにあの時、この黒猫の声がして私はそれに導かれるまま連れて行かれた。

でも、最終的にこの館に入ることを決めたのは私だ。
選んだといっても、何を?






『……僕ハズット、君ノヨウナ人間を探シテイタ。


君ミタイニ、才能ガアル人間ヲネ 』



『それって、どういう……?』



『ソノママダヨ。コノ館ニハ、貴女が必要ナンダ』




黒猫の言葉はいまいちピンとこなくて釈然としない。

話を変えられる前に、せめて1つでも何かを聞き出せなければ。

ほら、みんなのために。






『あの、黒猫さん。どうして私が必要なの?
それが他の人じゃどうしてもダメだっていうなら、その理由を聞かせてほしい。』






『ナルホド。……ソレガ君の正義ナンダネ。』





 

今がチャンスだと思った。

この館の秘密を暴くための。

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朱狐(プロフ) - ハニーレモンさん» 本当ですか!ありがとうございます!励みにして頑張ります! (2019年9月28日 8時) (レス) id: 576e85210a (このIDを非表示/違反報告)
ハニーレモン - はじめまして最初から読みました。安くんの存在も気になります。すばるくんには主人公ちゃんを最後まで守ってあげてほしいです。楽しみに待っています。(*^-^*) (2019年9月28日 0時) (レス) id: 74ed2de143 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朱狐 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=tikuwa123456789&scr=novel/bokuranokako...  
作成日時:2018年2月8日 19時

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