05 思い出１つ ページ6
「ねえ…。ウルフルン。…お話を…、聞かせて…？」
「ん？ アカオーニとかマジョリーナじゃ駄目なのか？」
「お話が一番上手…は、ウルフルン…」
「そ、そうか？ まあ、話してやるよ」
「やったあ！ ありがとう…！」
ボクはウルフルンの膝に腰掛ける。
ボクの前に、何も書かれていない、真っ白なページが開かれた。
「……？ 真っ白…」
「ああ、そのとおり」
ウルフルンは、話し始める。
「これは未来なんだ。…いいか、お嬢。未来は真っ白だ。この本みてぇにな」
「真っ白……」
「ああ。誰にも分からない、未来。だからこそ、何色にも染まる」
ページに手を伸ばす。
ざらざらとした画用紙の手触り。
「赤、青、緑、黄、橙、藍……それに、黒。バッドエンドにだってな」
「…ウルフルン。黒色の世界はバッドエンド＿＿悪い終わりなの……？」
「お嬢はどう思うか？」
「ボクは…、そうは思わない……」
伸ばした手で、すぅ…と線を引く。
描いた軌道に、黒が浮かんだ。
「黒色の世界は…、ボクらの世界は…。凄く、凄く…、居心地がいい所…だもん…」
「ああ、まったくだよな。
自分たちのために未来を黒く染めるのは…、悪いことじゃねぇよな」
「うん…。ボクらは…、間違って…ない…」
「ああ。そうだな、お嬢」
ほら、そうでしょう？
ウルフルンのお話は、凄く面白いの。
ラッキーナンバー
8
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 18人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Lynn - 自分も、ジョーカー大好きなんだ。もっとこのストーリー続くと嬉しいな (2022年8月21日 7時) (
レス) @page14 id: 3d10a0695d (このIDを非表示/違反報告)
マシュマロ - 麗華ちゃん 可愛いですよね (2018年11月10日 18時) (レス) id: 036f497ac3 (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - 私もジョーカー大好きです！ (2016年11月5日 1時) (レス) id: ef372e5b11 (このIDを非表示/違反報告)
ちい - 何故か涙が…(;_;) (2014年9月7日 9時) (レス) id: 290f9a1778 (このIDを非表示/違反報告)
シオン - 読んだ読んだよぉぉぉ!!!((蹴 ジョーカーに頭なでなでしてもらいたぁい!!!!!!!早く更新してください!!!! (2014年8月27日 22時) (レス) id: 1e11e6f3df (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しらだし＊ | 作成日時：2013年1月30日 14時
