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つんでれ知念くん41 ページ45

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『僕暑いからかき氷食べたい』







ずらりと長く続く出店の入り口でこっちを振り返った知念くんに、私も食べたい!と気持ちが高ぶったその時、









山(おー!知念とAじゃん)








人混みの中から姿を現した山ちゃんと







『あ、涼介大貴久しぶり〜』






バツが悪そうに苦笑いの大ちゃん。









山(あ〜やべぇキーンきたわ)



ピンク色のかき氷を口に運んで顔を歪ませてる。









有(Aこの前ありがとな〜)




「え?」




有(あーあれ。ごはん付き合ってもらって)




「あ…うん、こちらこそごちそうさまでした…」









言わないで欲しかった。





せめて知念くんがいる前では…









あの日からどこか悪いことをした意識が抜けない私は、恐る恐る隣の知念くんに目を移す。







すると、ぎろりと私を捕らえた黒い瞳は






ふん、





まるでそんな声が聞こえてきそうな目つきに変わっていった。









……ほら、やっちゃった。









何か言いたげな表情でじーっと見られるのに耐え切れない私は、いそいそと視線を大ちゃんに戻す。









有(あ、俺の食う?レモンだけど…)




「え…、んーと」




『Aブルーハワイが良いらしいから』




有(え、あ、そっかそっか。ブルーハワイが良かったのね。確かにブルーハワイも惹かれるよな〜)









ブルーハワイが良いなんて…言ってない。








「ねぇレモンがいい…」









山ちゃんと大ちゃんに別れを告げた後、私はそんな可愛くないセリフを呟いた。









『じゃあ僕がレモンにして半分あげるから。Aはブルーハワイ』








頑なにレモンを買わせてくれない知念くんに小首をかしげている間に、








『はいこれ』







黄色いかき氷を手渡された。









「あっ!お金!」





『…いい』





「悪いよそんなの…」





『いいって言ってんじゃん。大貴にはご馳走になって僕は無理なんておかしいでしょ?』









何食べたのか知らないけど、




なんてお釣りの小銭をポッケに入れながら小さく吐き捨てた知念くんに、また私の胸は不安気な音をたてた。





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ちぃLove - 素敵な作品でした! (2016年11月16日 17時) (レス) id: d231d12efa (このIDを非表示/違反報告)
いのちゃんLOVE - だいちゃああああああああん泣 (2016年10月25日 11時) (レス) id: 1c7c3559dd (このIDを非表示/違反報告)
猫パンダ - 忙しいはずなのに更新してくれてありがとうございます。ちょっと見たら更新されていてビックリしました!更新これからも頑張ってください(*^о^*) (2016年9月2日 22時) (レス) id: a41985c8df (このIDを非表示/違反報告)
- 大ちゃんやばい! (2016年9月2日 19時) (レス) id: 0aa807b579 (このIDを非表示/違反報告)
むにに - のんさんのお話の描写が大好きで、近道は遠回りシリーズとインカマは5,6回読み直してます!ツイッターの時のような短編もまたやってほしいなあ〜って思ったりです徒然なるままに更新されることをちらちらチラ見して待ってます(笑) (2016年9月2日 4時) (レス) id: 674ea0d825 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:のん(@non_ohanashi) | 作成日時:2016年7月4日 22時

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