つんでれ知念くん３６ ページ39
.
オムライスを食べ終えた後、しばらくして運ばれてきたアイスコーヒー。
「ね、大ちゃんコーヒー飲めないんじゃなかった？」
そう。大ちゃんはもっぱらの甘党で。いつもジュースかココアだもん。
いつだったか、自分のコーラと間違えて知念くんのコーヒーを飲んじゃったこと、あったでしょ。
あの時の大ちゃんは、片目の潰れた歪んだ顔で、にっげ〜、なんて言ってたのに。
有(なんかすっげー苦いの飲みたくなる時ない？)
少し大人びた表情でそんなふうに。
「ふふ、それはコーヒーが好きな人の言うことでしょ？」
有(いいんだよ。ほら、ガムシロ2個入れればさ、)
そうやってドロっと流れ込んだ透明の液体は、グラスの下にきらりと沈んで。それからガシャガシャ氷とともにストローで攪拌されて消えていった。
「へんなの〜」
声色を変えて、少し小馬鹿にしたように言う私。
大ちゃんにだったら、こんなことも平気で言えてしまう。
可愛いなぁ、って。
知念くんや山ちゃんよりずっとずっと少年のようだから。
だけど、この私の一言で向けられた黒い瞳はどこかいつもと違って。急にどくん、と胸が大きく鼓動する。
カラフルに、きらきらとしたオーラを放ちながら笑うはずだった大ちゃんから……
ばたんと音を立てるように突然
色が消えた。
グラスについた水滴をくいっと親指でなぞって、苦しそうに下唇を甘噛みする。
どうしちゃったのかな。
襲ってきた不安がむくむく大きくなる私に、
上目遣い、小刻みに頭を揺らして前髪を整えた大ちゃんの視線が再び刺さった。
有(俺といた方が笑えんじゃんA)
「……え？」
消え入りそうな低く擦れた声。
有(…そんな辛そうな顔すんだったらさ、)
まっすぐ向けられた瞳が一度だけ揺れて
有(……俺にしてみませんか、)
.
沢山の方の読者登録、お気に入り登録、お星様、ご感想(特に嬉しいですありがとう)に支えられ、仕事をほっぽり出して更新です。
時間がある時はもう少しまとめて更新できるように善処します＊
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2124人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちぃLove - 素敵な作品でした！ (2016年11月16日 17時) (
レス) id: d231d12efa (このIDを非表示/違反報告)
いのちゃんLOVE - だいちゃああああああああん泣 (2016年10月25日 11時) (レス) id: 1c7c3559dd (このIDを非表示/違反報告)
猫パンダ - 忙しいはずなのに更新してくれてありがとうございます。ちょっと見たら更新されていてビックリしました！更新これからも頑張ってください(*^о^*) (2016年9月2日 22時) (レス) id: a41985c8df (このIDを非表示/違反報告)
薫 - 大ちゃんやばい！ (2016年9月2日 19時) (レス) id: 0aa807b579 (このIDを非表示/違反報告)
むにに - のんさんのお話の描写が大好きで、近道は遠回りシリーズとインカマは5,6回読み直してます！ツイッターの時のような短編もまたやってほしいなあ〜って思ったりです徒然なるままに更新されることをちらちらチラ見して待ってます（笑） (2016年9月2日 4時) (レス) id: 674ea0d825 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：のん(@non_ohanashi)
| 作成日時：2016年7月4日 22時
