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つんでれ知念くん34 ページ37

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じめっとした知念くんの視線を立ち上がることで遠ざける。








透き通った黒い瞳の奥には容易に想像し得ない彼がいて、やり場に困った目線をそらせば、ふぅ、と溜息のような息遣いが聞こえてきた。









「ごめんなさい…今日は、」



『うん…』



「まっ、またね」









テーブルのスマホを握りしめ、かばんをさらって飛び出した。









ずっと口元まで出てきていた心臓は今、気持ち悪いくらいに大きく跳ねる。







一人になって少しずつ解けてきた緊張感は安心とは言えず、どちらかというと罪悪感を残して。









またちょっと気まずくなった二人の関係に私は唇を噛み締めた。









すると、自宅が視界に入り込んできたコンビニ前で、誰かがこっちに手を振っているのに気付く。









(おーい)








「…え?」








(なにしてんの?)









小走りに駆け寄ってきたその人は









「大ちゃん、」



有(うん、あれ?目、どうした?)









にこにこと頬を高くして私の顔を覗き込む。









「目…?」



有(めっちゃあけーよ?)









言われて初めて溢れる寸前だったことに気付く。









有(バイト帰り?)



「まぁ、うん…そんなとこ」



有(なーに、元気ないじゃん。どした?)









頑張って堪えている今、優しくされたらダメかもしれない。改めて知念くんに付いていけない自分を情けなく思ったから。









俯く顔をふと上げれば心配そうに眉をひそめている大ちゃんと目が合って。








その表情に胸を掴まれたようで、つーっと一粒、涙が頬を伝った。







有(なんだよA…俺聞いてやろっか?)








そう言いながら私の頭を抱えるように触れた、大ちゃんのその優しさに








「…っ、」








もう溢れる気持ちは止まらなくなってしまった。









有(何があったか知んないけどさ、…俺腹減ったの)





「え?」







有(オムライスの気分)






「ふふ」









大ちゃんオムライス好きだなーなんていつの間にか笑えていた私。








困った時、辛い時に救ってくれるのは友達だと…この時は単純にそう思ってた。









有(山田に教えてもらったいい感じのカフェがあんだけどさー)



「うん」



有(付き合ってくんない?)









違和感なんて何も無かった。いつもの大ちゃんだって。







ねぇ、そうだよね?






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ちぃLove - 素敵な作品でした! (2016年11月16日 17時) (レス) id: d231d12efa (このIDを非表示/違反報告)
いのちゃんLOVE - だいちゃああああああああん泣 (2016年10月25日 11時) (レス) id: 1c7c3559dd (このIDを非表示/違反報告)
猫パンダ - 忙しいはずなのに更新してくれてありがとうございます。ちょっと見たら更新されていてビックリしました!更新これからも頑張ってください(*^о^*) (2016年9月2日 22時) (レス) id: a41985c8df (このIDを非表示/違反報告)
- 大ちゃんやばい! (2016年9月2日 19時) (レス) id: 0aa807b579 (このIDを非表示/違反報告)
むにに - のんさんのお話の描写が大好きで、近道は遠回りシリーズとインカマは5,6回読み直してます!ツイッターの時のような短編もまたやってほしいなあ〜って思ったりです徒然なるままに更新されることをちらちらチラ見して待ってます(笑) (2016年9月2日 4時) (レス) id: 674ea0d825 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:のん(@non_ohanashi) | 作成日時:2016年7月4日 22時

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