つんでれ知念くん27 ページ30
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「そ、そう、あのね、私8月から休みが金土日になるよ」
慌てて持ち出した話題は、私の中でとっておきのお知らせ。
なのに、
『そうなんだ』
あれ?
喜んでくれないし。迷惑だったのかな、って。
またひとつ増えた不安。
「知念くんも金土日が休みだったかなと思って…」
『うん、そうだけど』
「…いやだった?」
『え?なにが?』
「知念くんと過ごせる時間増やせたらいいなって。だからシフト変えてみたんだけど……」
『へ?』
あっさりした返答しか貰えなくて、押し寄せる恐怖に声が震える。
通りかかる車の音だけが聴こえる長い沈黙。
口下手な私はもうこれ以上何も言うことが出来なくて。呼吸することさえ難しくなりそうな時間と葛藤するだけ。
だけど、それじゃこれまでと一緒。逃げ腰で自分がない、そんな風に思われてしまうような情けない人間。
だから、今日はひとつだけ、不安を口にしようと勇気を出して。
「わたしばっかり好きみたい…」
思ったより小さい声になってしまったけど。
ね、知念くん。
もうちょっと私に…振り向いてくれないかな。
すると、目をまんまるく見開いた知念くんがすとん、と立ち止まって。
じーっとこちらを眺め下ろす。その視線にギクリとしたのも束の間、
『こっちのセリフなんだけど』
そう言いながら私の右手の指先をきゅっと握って、またさっきより少し早歩きで進み始めた。
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ちぃLove - 素敵な作品でした! (2016年11月16日 17時) (レス) id: d231d12efa (このIDを非表示/違反報告)
いのちゃんLOVE - だいちゃああああああああん泣 (2016年10月25日 11時) (レス) id: 1c7c3559dd (このIDを非表示/違反報告)
猫パンダ - 忙しいはずなのに更新してくれてありがとうございます。ちょっと見たら更新されていてビックリしました!更新これからも頑張ってください(*^о^*) (2016年9月2日 22時) (レス) id: a41985c8df (このIDを非表示/違反報告)
薫 - 大ちゃんやばい! (2016年9月2日 19時) (レス) id: 0aa807b579 (このIDを非表示/違反報告)
むにに - のんさんのお話の描写が大好きで、近道は遠回りシリーズとインカマは5,6回読み直してます!ツイッターの時のような短編もまたやってほしいなあ〜って思ったりです徒然なるままに更新されることをちらちらチラ見して待ってます(笑) (2016年9月2日 4時) (レス) id: 674ea0d825 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のん(@non_ohanashi) | 作成日時:2016年7月4日 22時