つんでれ知念くん26 ページ29
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「お待たせ知念くん」
『うん待ちくたびれた』
はは、
そんな事言われてもねと薮さんににっこり手を振る知念くんを眺める。
バイト終わり二度目のお迎えは、やはり慣れない嬉しさと疑問符でいっぱいだった。
「ねぇ、なんで急に?言ってくれれば良かったのに…」
『僕だって急に思い立ったから』
「そうなんだ、」
小動物のような可愛い顔を、なに?、なんて言われない程度にちらちら見れば、珍しくくいっと一瞬眉をひそめて。
その表情に胸騒ぎを覚えた途端、辛うじて聞こえる声で知念くんが話し始めた。
『伊野尾って人さぁ、僕のこといきなり知念とか呼び捨てだったんだけど』
…?
何を言うかと思えば先輩の話で。そう言えばさっき少し怒ってたような。
いやでも、待って、知念くん…
知念くんだってずっと伊野尾って呼び捨てしてたよね、
そんなことを思い出して口元が緩みそうになるのをくいっと結ぶ。
『毒きのこだし』
「…え?あ、髪型…ふふ。でも良い人だよ」
『ふうん』
何か言いたそうに私の方を見下ろした後、その黒目は落ち着き無く斜め向こうに流れていった。
例え知念くんがなんとも思っていないとしても、こんな少しの仕草でぎゅうっと胸をつままれて、どくどく鼓動が止まらなくなる。
何か気に入らないことをしてしまったんじゃないかとか、一緒にいてつまらないんじゃないかとか。
考えても限(き)りがない不安はいつになったら解消されるんだろう。
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ちぃLove - 素敵な作品でした! (2016年11月16日 17時) (レス) id: d231d12efa (このIDを非表示/違反報告)
いのちゃんLOVE - だいちゃああああああああん泣 (2016年10月25日 11時) (レス) id: 1c7c3559dd (このIDを非表示/違反報告)
猫パンダ - 忙しいはずなのに更新してくれてありがとうございます。ちょっと見たら更新されていてビックリしました!更新これからも頑張ってください(*^о^*) (2016年9月2日 22時) (レス) id: a41985c8df (このIDを非表示/違反報告)
薫 - 大ちゃんやばい! (2016年9月2日 19時) (レス) id: 0aa807b579 (このIDを非表示/違反報告)
むにに - のんさんのお話の描写が大好きで、近道は遠回りシリーズとインカマは5,6回読み直してます!ツイッターの時のような短編もまたやってほしいなあ〜って思ったりです徒然なるままに更新されることをちらちらチラ見して待ってます(笑) (2016年9月2日 4時) (レス) id: 674ea0d825 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のん(@non_ohanashi) | 作成日時:2016年7月4日 22時