つんでれ知念くん18 ページ20
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人ひとり分ほど開いていた距離が、
とぼとぼ、
知念くんの小さな歩幅で埋められる。
『泣き虫だよね』
そっと伸びてきた手が頬に触れて、にっこり笑ったあと、掬われた泪。
雫は頬の上で膜となって、小さな親指の感触も残したままに冷たい夜風を受け止めた。
『テスト終わったら色々してあげるから、』
「……え、…っと、いろいろ…?」
『なつやすみ。何したい?勉強の合間にでも考えといてよ』
「う、うん」
目の前のことにいっぱいいっぱいで忘れてた夏休みの存在。
今まではバイトバイトバイト華、バイトバイトみんな、バイトバイトバイト…
うん。
バイトばっかりだったけど。
今年は知念くんと二人で過ごす時間も出来ちゃうのかな…
「知念くんは…なんか無いの?」
『え?』
「なつやすみ、したいこととか」
考えるヒントに教えて欲しかった。
例えば夏祭り?
でもそんな大袈裟なものじゃなくって、二人でカフェに行ったり……
こうして話せるだけでパンクしてしまいそうなくらい幸せだから。
あまり迷惑になることは言わないでおきたいな〜とも思うし。
彼氏と彼女って、友達と何が違うのかな?
何も知らない私は、このままだとテスト勉強そっちのけで悩み更けそう。
いっそのこと、山ちゃんや大ちゃんと遊びの計画を立てている時の、いつもの知念くんらしく、
これしよ、あれしよ、って言って欲しい。
…けれど、
『う〜ん、ひみつ』
「なっ…、なんで、」
『刺激が強すぎるから』
……?
くすっと笑いながら答えてはもらえなかった。
刺激、、、
翌日、華にこの話を伝えて笑われるまで、私は"刺激"の意味を理解しないでいて。
帰宅してから湯船の中、
知念くんとしたいこと、
に頭を悩ませたのだった。
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ちぃLove - 素敵な作品でした! (2016年11月16日 17時) (レス) id: d231d12efa (このIDを非表示/違反報告)
いのちゃんLOVE - だいちゃああああああああん泣 (2016年10月25日 11時) (レス) id: 1c7c3559dd (このIDを非表示/違反報告)
猫パンダ - 忙しいはずなのに更新してくれてありがとうございます。ちょっと見たら更新されていてビックリしました!更新これからも頑張ってください(*^о^*) (2016年9月2日 22時) (レス) id: a41985c8df (このIDを非表示/違反報告)
薫 - 大ちゃんやばい! (2016年9月2日 19時) (レス) id: 0aa807b579 (このIDを非表示/違反報告)
むにに - のんさんのお話の描写が大好きで、近道は遠回りシリーズとインカマは5,6回読み直してます!ツイッターの時のような短編もまたやってほしいなあ〜って思ったりです徒然なるままに更新されることをちらちらチラ見して待ってます(笑) (2016年9月2日 4時) (レス) id: 674ea0d825 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のん(@non_ohanashi) | 作成日時:2016年7月4日 22時