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「おつかれーっす」
ドアの開く音に振り返ると、もう1人の常連が入ってきた。
「紫耀、来たん」
「あれ、廉。おつかれ」
案内も待たずに勝手知ったる雰囲気で、岩橋の向かいに座る。
「廉だけなの？」
「いや、じんがおる。けど今買い出し中。岸くんは中」
だから俺今忙しいねん、と言外に込めてみるが、この2人が察するはずがない。
「あ、岸くーん！俺パンケーキ！！！疲れてるから蜂蜜かけて！！」
「ないんだってば！！！」
ふざけんなよ！、と奥から聞こえる叫び声に、紫耀が声を立てて笑う。
「あー岸くん最高。疲れ吹っ飛ぶー」
あ、水頂戴、できれば白湯、と廉に声をかけて、かぶっていた帽子を外す。
廉が見ても、整ったよく出来た顔が帽子の下から顔を出す。
「今日何？ドラマ？」
岩橋が頬杖をついてついでのように尋ねる。
「今日は取材日ー。なんかいろいろ着替えてたくさん撮った」
「ふーん、まだ禁酒中なの？」
「うんー今度撮るやつハードだから。体調管理」
「紫耀ってそんながたいいいのに体弱いの、うけるよね。今度血液採らせて」
「やだよ。俺のこと実験対象にしないで」
「いいじゃん。おごるから。神宮寺が」
「えー」
「ねえ」
会話を遮るようにガサ、とテーブルに袋が置かれる。
「いないとこでよくわかんない約束すんのやめて」
「おーおかえり」
「あれ、神、いつ戻ったの？」
「今。何の話かわかんないけど、俺が損する話なのはわかった」
「出来た薬は最初にあげるって」
「やだよ。実験台じゃん」
神宮寺はそう言いながら当初の予定よりだいぶ多い買ってきた色々を持って厨房にいく。
「てか廉なんだ。海人だと思ってた」
12月だし、と小さな声で付け加えながら、白湯を持ってきた廉に紫耀が聞く。
「あー交換してん。なんかあいつ、明日提出のレポートができてないって」
あーなるほどね、と聞いてんだか聞いてないんだかわからない様子で紫耀が呟く。
ふ、と時計を見上げる。
今日は会食で遅くなると言っていた。
そろそろだろうか。
ちゃんとタクシーで帰ってくるだろうか。
あとでLINEを入れてみようか。
会食のご飯なんかどんだけ美味しくても喉通んない！と文句言う彼女のために、帰りに岸くんに何か夜食を作ってもらおう。
そんなことを考えていたので、様子を見るように自分を見ている紫耀の視線には気づかなかった。
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まな - 一気読みしてしまいました！！無理のない頻度での投稿、楽しみにしてますね！ (2020年4月14日 0時) (
レス) id: 9c457a3c27 (このIDを非表示/違反報告)
はなうたこ(プロフ) - Nano.さん» ありがとうございます...！なるべくサクサクいけるよう頑張ります...！ (2020年3月17日 18時) (レス) id: 186150732f (このIDを非表示/違反報告)
Nano.(プロフ) - とても楽しくみています。次の更新をお待ちしています！ (2020年3月16日 12時) (レス) id: 03ff967dd1 (このIDを非表示/違反報告)
はなうたこ(プロフ) - ななみさん» ありがとうございます！このシーンから初めに思いついて描き始めたので嬉しいです！ (2020年2月19日 14時) (レス) id: 186150732f (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - ど、ドキドキしました。キスしちゃうかと思った。廉君にとって、血のつながりはないけど、誰よりも何よりも、きっと自分よりも大切な存在が、お姉さんなんですね。すごく切なくて、大切さがひしひしと伝わってきました。 (2020年2月17日 15時) (レス) id: 6b92244ddf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はなこ | 作成日時：2020年2月13日 12時
