＝モフモフ・２６＝ ページ26
「２人もそー言ってるよ。ね？涼介君。」
「ん。・・ぅふぅ・・・。。」
コクリと頷く。
ポタポタと涙が零れ、
裕翔先生の手の甲に落ちる。
声にならず、嗚咽が漏れる。
「んぅ・・せんせ・ぃ・・ひぅ。。」
「泣かないで＿＿＿涼介君。
君は悪くないんだ＿＿＿笑ってよ。」
ぼくは・・わるくない。
オレは悪くない。悪くないんだ＿＿＿＿
優しい笑顔の母さんが目に浮かぶ・・
優しい優しい母さん。
母さんだって悪くないのに＿＿＿。
今までの苦しい気持ちが
先生の言葉で・・
慧の雄也くんの、侑李の言葉で
笑顔になる。浄化していくようだ＿＿＿。
オレの涙で濡れてしまった裕翔先生の手を
ぎゅ。っと握り返し、オレは微笑む。
「あ・ありがと・・裕翔先生。
ありがと、慧、雄也くん・・ありがとう。」
慧がちゃぶ台に乗って、心配そうな顔を
オレの顔に近づけ、スリスリと擦り付ける。
「にゃぁ〜ぅ。」
「ふふふ。・・ありがと、慧。」
慧の小さな肉球が、涙で濡れたオレの頬に
そっと触れた。
ぷにぷに。っと当たる・・優しい温かい肉球。
＿＿＿泣かないで＿＿って言っているみたいだ。
「にゃぅっ。にゃー。」
「んふふふ・・。もー慧ってば
母さんみたいだー・・。」
「母さん？・・涼介君の？」
「ふふ。・・はい、そうなんです。
オレが小さい時泣いていると・・こーやって
慧みたく、手の平でポンポンって頬を
優しく撫でてくれて・・」
「ふふ・・ホントだ。同じ仕草だね。」
「裕翔先生・・。」
「ん？なに・・？」
「慧って＿＿慧って名前ね・・
母親の名前なんです＿＿＿。」
「え？・・お母さんの＿＿＿
そうか、そうだったんだ。」
「はい。母はオレにとって・・
儚くて可憐な少女のような人でした。
いつもニコニコ微笑んでいて・・
優しくて。ずっとそうやって楽しく
幸せに暮らしてたんだろうって・・
思ってたんです。でも＿＿＿」
「でも？」
「でも、違ったんです。母のあの可愛らしい笑顔の
裏には・・誰にも言えない悩みがあったんです。」
「・・・悩み＿＿＿」
「オレ、親戚に言われたんです。」
「親戚に・・？」
「はい。
『お前にもあの女の血が流れてるからな』って
そうやって、吐き捨てるように言われました。」
「血が・・流れてる＿＿」
「ええ。・・母は美しい人でした＿＿＿
美しくて特殊な人だったんです。」
「特殊？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 579人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あひる☆(プロフ) - 白米苺さん» 白米苺しゃぁぁぁぁああん!!ありがとぅっっ!!!ふふー。色々よんでくりてありがとー（＾０＾）世界観だなんてぇぇ〜ぅんもぉ〜てれるぅー。ホントにあんがとーですっ！！ (2018年7月31日 17時) (
レス) id: daf5fa2131 (このIDを非表示/違反報告)
白米苺(プロフ) - あひるさぁぁぁぁぁああん！！完結おめでとうっ！！！どっちのカップルもしわわせに…あ、これは違う作品だ…まぁ！今回の作品もあひるさんの世界観で面白かったです！次回作も楽しみにしてます☆ (2018年7月29日 23時) (レス) id: b21025aefe (このIDを非表示/違反報告)
あひる☆(プロフ) - konokuroさん» konokuroしゃまだぁ〜ぃ。真夜中にうれしいですー。んふっ。はい、ありがとうございますっ(*^-^*)はい!!あひる☆がんばりますぞぅ。わぁ〜可愛かった嬉しいなぁ〜♪ (2018年7月28日 1時) (レス) id: f7cc0dc41c (このIDを非表示/違反報告)
konokuro(プロフ) - あひる☆さん» 真夜中にすみません(*´Д｀*) ご完結おめでとうございます！！ お次のおはなしも楽しみに待ってます(о´∀`о) 楽しみです( ´ ▽ ` ) 今回も伊野尾様かわいかったです(//∇//) (2018年7月28日 0時) (レス) id: 8ceddc39fa (このIDを非表示/違反報告)
あひる☆(プロフ) - さやさん» さやしゃぁぁ〜ん(*´з`)気に入ってくれましたかー？続編も頑張るので、コメント下さるとうれしい〜っですー。てへへ〜。(●´ω｀●) (2018年7月28日 0時) (レス) id: f7cc0dc41c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あひる☆
| 作成日時：2018年7月11日 12時
